暁 〜小説投稿サイト〜
電子な世界の奴隷アリス〜ご主人様は愛しい妹〜
1プロローグ
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asy Second Life Online』通称【PSL】とは日本中のゲーム会社が合同で製作し、さらに普通ではあり得ないことだが、アメリカ、イギリス、インド、中国……と世界各国のIT企業がこぞって技術や投資を提供して出来た、まさに規格外化物級VRMMOである。
 ネーミングの由来は安直に『異世界で第二の人生を』。出来ないことは現実世界よりも少ないを唄い、ベタで王道な魔王討伐をグランドクエストとして軸にした様々なクエストや、様々なプレイスタイルを行うことが出来るとのこと。
 テレビに限らずネットや現実世界の看板などの至るところでしつこいぐらいに宣伝されてた。

 発売されたのは偶然にも繭の誕生日と同じ日、つまり昨日。しかもこのゲームはR15なので、タイミングよく15歳になった繭は「これで最後の誕生日プレゼントでいいから買って」とせがみ、同じく【PSL】を買う行列の中に父親を朝早くに送り込んで手に入れていた。
 僕は一緒に父に頼んだ記憶はないので、当然持っているはずがない。

「え〜…僕持ってないよ?」
「今から買ってきて」
「それもそうだけど、そもそもVR機持ってない」
「今から買ってきて」
「…………………」
「今から買ってきて」

 無言でも同じ言葉を繰り返すのかよ!?まるでNPCに話しかけてる気分だ…。

「お願いお兄ちゃん。私お兄ちゃんと一緒にしたいの」

 あざとく上目遣いで懇願してくる妹を見て、このお願いを断れようか、否、断じて否!
 シスコンと呼ばれようが構わない。お兄ちゃん妹のためなら何でもするよ!
 と、心の中でさけんだ。

「……わかったよ」
「やった!お兄ちゃんだいすき!」

 そうかそうか、妹の喜ぶ顔を見てお兄ちゃんも満足だよ。

「招待特典が貰える♪」

 ……例えそれが特典が理由だとしても。
 貯金が吹っ飛ぶ…。はぁ、今月生きていけるかな…。






 妹の言われるがままにVR機と【PSL】を買って家に着いたのは16時過ぎ。日曜日で発売の2日後ということで凄い行列だった。もっと凄いのは未だに売り切れてない【PSL】だけど。いったい幾つ在庫があるんだ?

 VR機を初めて買った僕は妹にせかされながら初期設定をしていく。学校とかでVR機自体はさわったことがあるので設定はスムーズに完了した。
 このVR機は今では洗練されたVR空間に入る為のもの。ヘットギア型で最新鋭のVR空間ダイブシステムと高速処理をするためにメモリは32ペタという一昔前では信じられないスペックを搭載したものだ。

 メガやギガの時代は既に古く、テラでさえ今では低スペック扱いだ。
 気になるのは【PSL】のサーバーのスペックだが、ネットを見る限りではなんと5ゼタ。
 メガ、ギガ、
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