第4部 誓約の水精霊
第6章 アンドバリの指輪
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モンモランシーの水の魔法でタバサは腹の傷を治した。
ウルキオラは事情を聴くために、倒れた木に腰かけた。
焚火の周りで肉を焼いている。
ワイン片手にギーシュが、ウルキオラの隣で楽しそうに騒いでいる。
こいつだけは未だに旅行気分らしい。
時刻は深夜の二時くらいであろうか。
湖面に二つの月が映り、美しい光景が広がっていた。
治療を終えたタバサが近づいてきて、怪我治った?と聞いている。
タバサはこくりと頷いた。
ウルキオラは素直に二人のコンビネーションを評価した。
「お前らを過小評価していた。なかなか骨のある攻撃だった」
「まあね。そりゃ弱くはないわ。まあ、あなたには敵わないわ。あなたが本気を出していたら、逃げるしかなかったもの」
キュルケは得意げに髪をかきあげた。
「だが、何故お前たちは水の精霊を襲っていた?」
「なんであなた達は水の精霊を守っていたの?」
キュルケは逆に尋ねてきた。
ウルキオラの背中にぴったりとくっついていたルイズが悲しそうに、袖を引っ張る。
「キュルケがいいの?」
「違う。事情を聴くだけだ。お前は寝ろ」
「やだ。寝ない。今日、ウルキオラまだ私とあんまり口聞いてくれてないもん。十四回しか、言葉のやり取りしてくれてないもん」
ルイズはどうやら言葉のキャッチボールを数えていたらしい。
ウルキオラは心底呆れた様子である。
「今は寝てろ」
ウルキオラがそういうと、ルイズはもぞもぞとウルキオラの膝の上に座った。
「わかった。ウルキオラがそういうなら私寝る」
キュルケがぽかんと口を開けて、二人を見つめた。
事情を知っているギーシュとモンモランシーは顔を見合わせてくすくす笑っている。
ルイズは頭をウルキオラの胸に預け、すうすうと寝息を立て始めた。
キュルケが感心したかのような声で言った。
「あなたって実はとんでもなく女の扱いがうまかったのね。いつのまにルイズを手なずけてたの?この子、メロメロじゃない」
「違う。こいつが惚れ薬を作って、ルイズが飲んだだけだ。そして、運悪く俺が居合わせただけだ」
ウルキオラはモンモランシーを指さして言った。
「惚れ薬?何でそんなもん作ったの?」
キュルケは、肉をかじっていたモンモランシーに尋ねた。
「つ、作って見たくなっただけよ」
つまらなそうにモンモランシーは答える。
「まったく、自分の魅力に自身のない女って、最悪ね」
「うっさいわね!しかたないじゃない!このギーシュったら浮気ばっかりするんだから!惚れ薬でも飲ませなきゃ病気が治んないの!」
「もとを辿れば、僕のせいなのか?うーむ」
ウルキオラはキュ
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