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101番目の舶ィ語
第八話。ジェヴォーダンの獣
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る事ができますね」

「ああ。これからもよろしく頼むよ」

俺がリサにそう言った瞬間______。

「そんな事させないよ」

______ゾクリ。

Dフォンがメチャクチャ赤く光って警告を発している。

「お兄さん達も裏切り者のリサさんも決してこの村からは出さないよ」

「……詞……乃……様?」

リサが恐る恐る詞乃ちゃんに尋ねると詞乃ちゃんはニコっと笑ったまま、指をパチンと鳴らした。
途端に、部屋の外が騒がしくなり、3人の村人が部屋の中に入ってきた。
廊下の方も騒がしいからきっとまだいるのだろう。

「この人達も……??」

「うん。この村にいる人達はみんな死人だよ!
『人喰い村』だからね、この村は」

「そっか。という事は君が……」

「うん、私は『人喰い村(カーニヴァル)』のロアだよ」

「なるほどね。『人喰い(カニバル)』と『祭り(カーニヴァル)』をかけた名前なんだね?」

「そうだよ」

「やけに素直に答えるんだね?
これも罠かな?」

「ううん。私はロアだからね。
嘘はつけないんだよ」

嘘はつけない?
うーん、その言葉を信じていいのか、迷うな。

「リサさん。裏切らないよね?」

「も、申し訳ありません。
私はご主人様と共に生きたいのです。
ですので私はここから……」

「出られるって思ってるの?」

「そ、それは……」

「大丈夫だ。後は任せて」

俺は手に持っていた包丁を床に下ろし、リサに近づいた。
そして______ぎゅっとリサを抱きしめた。
俯いてしまったリサに代わり俺が詞乃ちゃんに返答をする。

「出られるさ。君のロアは『二度と出る事が出来ないかもしれません』というロアだからね。
つまり……」

ビシッと指で詞乃ちゃんを指しながら告げる。

「出る事が出来てしまったら、その力はかなり弱くなるはずだ!」

「へえ、出来るんだ」

「出来るさ」

「ふぅん?」

詞乃ちゃんは自信満々に告げた俺の顔を見ながら何やら考えていたが……クスッと笑って。

「じゃあ、見事に出てみせて」

その言葉と同時に村人達が一斉に走り寄ってきた。

「ご、ご主人様〜」

「大丈夫だ!
俺を信じろ」

俺はリサをお姫様抱っこするように抱えてその場から飛び跳ねた。
ハーフロアとして覚醒したおかげか、身体能力がかなり上がっている。
斧を持った村人の頭上を楽々と飛び越えるとリサを抱えたまま、斧や鉈を持った村人達の攻撃を躱しながら廊下に飛び出した。
廊下に出た俺は素早く周囲を見回して安全の確認したが廊下には村人達が大量に転がっていた。
よくみると腹や頬に靴の跡が残っている。
______この
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