暁 〜小説投稿サイト〜
101番目の舶ィ語
第七話。常闇からの襲撃者
[5/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
音央。驚くのは解るが後半の台詞は失礼だぞ。
俺はれっきとした人間だからね。

「その動き、モンジさんもロアなのかな」

「俺は人間だよ。どこにでもいるちょっと戦い慣れてるだけの普通の人間だ」

今の俺には普通に出来る事なのでそう言うと。

「……モンジが……普通?」

音央がなんだか残念な人を見る目で見つめてきた。
いや、あの。音央さん、そこは疑問に思わないでほしいな。
内心で音央に突っ込んでいると、詞乃ちゃんは一旦包丁を引き抜き______。

「まあ、いいよ。どっちでも」

「っ??」

標的を俺から音央に変えた。

「しまっ……」

詞乃ちゃんは音央に向かって駆け出した。
音央の頭上で出刃包丁が振り下ろされ出刃包丁の刃先が音央の喉元に突き刺さる……と思ったその時。

ガキィン??

「油断するなと言ったでしょう」

刃物と刃物がぶつかり合う金属音が聞こえ……。
音央の前に高速移動してきた人物により、その刃物は受け止められた。

「一之江!」

一之江が駆けつけてきてくれた。
それだけで何故だか安心できるね。

「ロアと戦え慣れてるんだね、お兄さん達?」

「私はプロフェッショナルですが、彼はルーキー、そしてこちらのボインさんは素人です」

一之江は音央を守るように立ちながら、両手にナイフを構えて告げた。
ナイフによる二刀流。

「まさに双剣(ダブラ)の一之江、だね!」

「なるほどね?」

詞乃ちゃんは余裕そうな笑みを浮かべてタッくんとミーちゃんを見た。

「強いんだ? モンジさんも」

「まあ、そこのプロフェッショナルさんに日常的な特訓(虐め)を受けてるからね」

一之江の特訓は特訓という名の虐めに近いが、強襲科(アサルト)の訓練に比べたらかなり楽だ。
象殺し(M500)』を乱射したりとか、「死ね!」とか、「風穴を開けるわよ!」とか、そういう物騒な行動や言葉はあまり出ないからね。
一之江の機嫌が悪いと、背中に何かを突き刺したりしてくるけど。
その辺はもう慣れた。

「徹底的に鍛えてます」

「なるほどね」

こんな状況になっていても詞乃ちゃんの様子に変わった事はなかった。
目が真っ黒になったりもしなければ、表情や雰囲気とかも人懐こい雰囲気のままだ。

「なので、貴女の眷属の1人や2人では、モンジは倒せませんよ」

「眷属……?」

「所詮は死体だから脆いもんね? 新鮮な頃はもうちょっと強度があるんだけど」

「死体?」

チラリ、とタッくんとミーちゃんの姿を見る。
近寄らなかったから解らなかったが確かに、血を流してぐったりしている姿は、死体以外の何者でもない。

「そんな……さっきま
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ