Episode35:立ち込めしは暗雲
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を変更したのだ。
互いに頷き合って、隼人と達也は別々の方へ駆け出す。
それから5分後、隼人が八高ルアーを、達也の援護により幹比古とレオが一人ずつ倒して試合は終了した。
誰も予想していなかった、一高の勝利という結果を残して。
☆★☆★
大多数の予想を裏切る形で勝利した一高天幕は歓喜と興奮に包まれていた。
理由は言わずもがな、先程のモノリス・コードでの勝利だ。
どうやらこの九校戦に選ばれている(一年を除く)メンバーは、一科と二科に拘る人間は少ないようで、皆、達也たちの勝利に喜んでいた。
その様子に笑みを浮かべて、座っていた椅子から立ち上がる。次の試合は三十分後だが、隼人は少し外の空気を吸いに天幕から出た。
「ふぅ…」
木の幹に体重を預け、そのままズルズルと地面に座り込む。溜息をついて目を閉じると、どこからか騒がしい声が聞こえてきた。
「また三高との試合で怪我人が出たのか!?」
「ああ。なんでも、三高のルアーの奴がヤバイらしくてな…超攻撃的なのに加えて、使う魔法は禁止規定ギリギリの高威力の魔法ばかりなんだ。おまけに、動けなくなった選手に追い討ちとして魔法を撃つだとか」
「なんだよそれ…そんなことして出場停止じゃねえのかよ」
「ルール違反ではないからな…運営側もなにもできないんだろうってさ」
(まったく、随分と物騒な人もいたものだね)
それにしても三高か、と疲れ切った頭で過去の記憶を引っ張り出す。
「……紫道聖一…」
「クク…俺、になにか用か? 九十九、隼人」
嫌な名を思い出し思わず漏らした呟きに、予想外の声が返ってくる。
木の幹の向こうで体を硬くした隼人に、紫道は笑った。
「ククク……なぜ過剰な攻撃、をするのか、か?」
「………」
幹の向こうからの無言の間を肯定と受け取って、紫道はくつくつと笑みを零す。
ああ、こいつは一体なにを言っているのだろうかと。
「敵、だからに決まっている、だろう」
「なんだと?」
「お前も、分かる、だろう。それ、とも、『青の妖狐』は、敵に情けを、かけるか?」
驚愕から一転、背筋が凍る程の殺気が、木の幹を挟んだ背中越しに伝わってくる。
「…知っていたのか。なら話は早い、エリナに何をした」
「クク、さあ、な。そう簡単に、こちらの手札、を見せて、やるものか」
舌打ちが聞こえる。
余程、理解者がいなくなったのが堪えたと見える。さて、これからどう遊ぼうか。
「なら、力尽くにでもーー!」
「まあ、待て。ここ、は一つゲームを、しようじゃない、か」
膨れ上がった殺気を抑え込むように提案を持ちかける。
さあ、受け
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