空白期 中学編 06 「いざ、遊園地へ」
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顔を見ていると、不意に体が彼のほうに倒れそうになった。どうやら大きなカーブを曲がっているらしい。
寝たばかりだし起こすのは悪いよね。
と思った矢先、私の体に加わる力が増した。意識を向けてみると、レヴィとユーリがこちらに倒れてきているのが見える。
ちょっ……ふたりとも耐えて。このままじゃショウくんに倒れて起こしちゃうよ……レヴィ、バスはジェットコースターじゃないよ! 楽しそうにしな……あぁ倒れる倒れる、倒れたらショウくん起きちゃうってば!
「く、くるしいです……」
体に掛かる力に任せて倒れるレヴィ。ショウくんを起こさないように耐える私。必然的に挟まれているユーリが潰される。
レヴィは私達3人の中で1番身長が高いし、発育も進んでいる。体重は最もあるはず(別に太ってるとか言いたいわけじゃない)。そしてユーリは最も小柄なわけで……くるしいと声を上げるのは当然だと思う。
ごめんユーリ……悪いとは思うけど、今だけは我慢して。もうすぐ遊園地に着くならまだしも、まだ当分着かなくて、寝たばかりの人を起こすのは私はできないから!
「バスって意外と楽しいね!」
「楽しむのはいいですけど、もう少し別の楽しみ方をしてください。重かったんですから」
カーブを抜けるやいなや、ユーリが少し頬を膨らませて無邪気なレヴィを注意した。ユーリが言っていることは間違っていないし、私にも似たような気持ちがあるけれど……重いという言葉をストレートに言うのはどうなんだろう。レヴィだって一応女の子だし……
「あっ、分かる〜? 実は昨日計ってみたら前より格段に重くなってたんだよね。結構動いてるはずなんだけど、何で太っちゃったんだろう?」
「それは……太ったんじゃありません。身長が伸びれば誰だって体重は増えます……それにレヴィはスタイル良いですから」
レヴィの胸や腰まわりに視線を向けながら唇を尖らせるユーリの気持ちは大いに理解できる。私もみんなの中じゃ1番発育が進んでいないし、レヴィの体重増加の理由が理由だし。
今の発言からして多分レヴィって体重とか気にしてないよね。食べたいものは好きなだけ食べてそうだし……なのにこの体型。
レヴィにそっくりなフェイトちゃんも食事制限とかしてないって言ってたけどスタイル抜群だ。いったいこのふたりの体はどうなってるんだろう。フェイトちゃんはまだ小食なほうだから分かるけど、レヴィは食べる量は私というか一般的な女の子からすると異常だ。なのに体重が増えるのは成長によるものだけ。不公平だ、不公平すぎる……。
「なにむくれてるのさ。ユーリもこれから大きくなるよ。だからボクみたいにいっぱい食べていっぱい寝るんだよ」
「睡眠はまだしも、レヴィほど食べるのは無理です。というか、レヴィみたいに食べたら普通は太りますか
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