第一部 学園都市篇
第4章 “妹達”
八月一日:『欠陥電気』
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
には同じですが。と、ミサカは付け加えます」
一瞬、意味が解らなくなりつつも。何とか、補足でその意味に辿り着く。そう、つまり────
──一卵性双生児、って事か? 御坂にそんな話は聞いた事ないけど……。
否、人の家の事情なんて他人が頚を突っ込むべきじゃない事とは思うけれどもさ。
そう、思い直して。一応のところは、納得して。努めて笑い、雰囲気を変えようとする。
「そっか……悪かった、間違えて。それじゃあ、改めて────」
気取った仕草、さながら舞踏会の申し込みのように気障ったらしい仕草で頭を下げて。
「俺は対馬 嚆矢、異能力者『確率使い』。人呼んで、“制空権域”だ」
「“制空権域”……ミサカネットワークに該当あり、弐天巌流学園に同名の能力者があり。『手の届く範囲であれば、起こり得る事の全てを起こし得る“確率事象の魔王”』…………」
「懐かしいなぁ、一年の時はそんな感じで呼ばれたっけか。いやぁ、若気の至りだねぇ」
二年前の、余り的を得ていない渾名に苦笑いしつつ、待つ。その意味に、彼女も気付いたらしい。足下に虎猫を下ろすと、舞踏会の申し出を受けた淑女の如くスカートの端を持ち上げて。
「そうですか、貴方はお姉様の知り合いでしたか。失礼しました、ミサカはミサカ10000号です。分類で言うなら異能力者『欠陥電気』、『トランスポンダー』と呼ばれています」
「トランス、ポンダー……」
「はい、いいえ。親愛を込めて“折り返し”と呼んでください。と、ミサカは補足します」
そこで、疑念は確信に。まぁ、この年代ならば仕方ないか、と。
──厨二病、かぁ……超能力者も掛かるんだなァ。あ、姉妹だからって超能力とは限らないか。
そんな風に嚆矢は、“折り返し”に生温かい眼差しを向けて。
「そっか……兎も角、女の子があんな無防備な事はしないように。自分の可愛さを自覚するように、いいな?」
「分かりました、ミサカは自分の可愛さを自覚します。と、ミサカは少しいい気分になりながら応えます」
本当に分かってるのか、と疑問を感じつつ、後二時間ほどで風紀委員の活動が終わる為に焦りを覚える。
ちゃんと定時で帰るには、報告書の製作なども勘定に含めてギリギリのラインだ、と。
「それじゃあ、またな。次はデートでもしようぜ、“|折り返し《トランスポ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ