第一部 学園都市篇
第4章 “妹達”
八月一日:『欠陥電気』
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う、君だよミサカさん……って、御坂?」
咳払いしながら問い掛ければ、聞いた事のある苗字。それに、視線を向ければ────見た事のある、常盤台の生徒。見慣れないゴーグルを頭に乗せているが、他ならぬ『御坂美琴』その人だ。
「オイオイ、勘弁してくれよ御坂……今日は短パン穿き忘れたか? ガード甘いぜ、丸見えだ。まぁ、眼福だったけどな!」
知り合いで、しかも丁度暇していたところで逢ったと言う事で、早速軽口を。首から下げた兎脚の護符から、『口伝』のルーンを励起して。軽い頭痛を感じながら。
後は、放電を受けずに怒らせるギリギリのラインを攻めるチキンゲームを行うだけであり、
「丸見え、とは下着の事を指すのでしょうか。でしたら、その程度の事で幸福を感じるような貴方に幸福を与えられたのでしたら、ミサカとしても悪い気はしません。と、ミサカはドン引きしながら妥協します」
「……………………生まれてきて御免なさい」
じっ、と硝子玉のような瞳で見上げられながら。こんな冷淡な反応をされて傷つけられるとは、思っても見なかった。
──なんか、調子狂うな。あれ、御坂ってもっとこう、サバサバしてて話しやすかったような……気のせいか?
「と、ところで御坂はこんなところでどうした? 黒子ちゃんと待ち合わせでも?」
「はい、いいえ。ミサカは、この子と遊んでいました」
「この子……ああ」
そしてその腕の中の虎毛の仔猫が、琥珀色の円らな瞳を瞬かせながらニャアと鳴いた。恐らく先程は、この猫に構っていたのだろう。
しかし、どこかで見た事がある気がする仔猫だった。まぁ、猫の見分けなど付かないが。
そこで、再び彼女を見遣る。やはり、おかしい。以前、涙子の見舞いに行った際に見たように……御坂美琴は、その能力故に動物に嫌われている筈ではなかったか、と疑問を感じて。
「急に見詰めてどうされたのですか、と。変態に見詰められたミサカは、多少の鳥肌を立てつつ問い掛けます」
「……………………生まれてきて、本当に御免なさい」
再度凹まされつつも、降って湧いた疑問を呈する事とする。
「なぁ、お前……御坂美琴だよな?」
「……………………」
真贋を見極めるように、『見聞』のルーンを励起しつつ。肯定してくれるものと、期待して。
「……いいえ、はい。それが第三位と言う意味でなら、ミサカは違います」
「違う、って……え?」
「遺伝情報的
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