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Shangri-La...
第一部 学園都市篇
第4章 “妹達”
八月一日:『欠陥電気』
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「……やっぱり、気障(キザ)過ぎたか」


 それを見送り、ため息混じりに髪を掻いて。飾利の方に向き直れば。


「……………………」
「…………か、飾利さん?」


 既に通話を終えていた彼女は、ニコニコと笑っている。さながら、般若を思わせる様子で。笑っているのに、冷や汗が吹き出るような。


「……わたしも、私用が出来たので戻ります。先輩はどうぞ、支部に報告してきてください」
「あっ、はい」
「それじゃあ、さようならです」


 逆らう事を許さない語調に、思わず単純な返答で。敬礼までしてしまった。そして飾利は、振り向く事もなく。怒気を振り撒きながら、大通りに消えていって。


「……………………寂しい」
呵呵呵呵(かっかっかっか)、青春じゃのう」


 最後には、この二人だけが残った。嚆矢は空しげに、ため息を再び溢してポケットをまさぐる。
 マナーモードで震えた携帯を開き、届いていたメールを確認して。

「仕事か?」
(いや)、お袋から。時間有る時に連絡してくれってさ」
「ふぅむ、しかし、その『携帯電話』とか言う奴は便利じゃな……(わらわ)の分を用意しても良いのだぞ、是非もないのだぞ?」
「金が掛かるんだ、巫山戯んな」
「ぐぬぬ……貴様、さては金柑(キンカン)の回し者か! あー、詰まらぬ!」


 と、携帯を欲しがる市媛を華麗にスルーして。どうせ、義妹の誕生日の事だろうと当たりを付けて、
 “悪心影(あくしんかげ)”に還り、背後に消えた市媛を気にする事もなく。さっさと支部にマネーカードを預けて今日の業務を終了すべく、歩き出して。


「……………………………………」


 歩み出した大通り、そこに────ミニスカートが揺れていた。植え込みから突き出た灰色のプリーツスカートが、フリフリと……たまに青と白のストライプなものが、見えたり見えなかったり。


 「……………………………………って、いかんいかん! 姑息だぞ、対馬嚆矢!」


 思わず数秒見守ってしまってから、頭を振って邪念を払う。女性に対して不道徳な事をするのも、彼の『女性に優しくする』誓約(ゲッシュ)に障る。


 そう思い直して周りを見れば、同じように立ち止まって凝視している男性多数。このスケベ共が、と自分を棚に上げながら、つかつかと尻の前に立って背面警備する。
 当然、周りの男共からは非難の視線が集まったが、風紀委員の腕章を見せれば蜘蛛の子を散らすように居なくなった。


「あ〜〜、おほん。そこの頭隠して尻隠さずなお嬢さん? 風紀委員だけど、少しいいかい?」
「…………それはミサカの事を指しているのでしょうか? と、ミサカは疑問を投げ掛けます」
「そ
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