異なる物語との休日〜クロスクエスト〜
休日のF
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理音とアリスが、『十一番目のユニークスキル』の存在する、彼らの世界に帰った。魂の世界と現実の世界が激しく交錯したその世界で、彼らの魂は、これからも揺れ動いていくだろう。それでも、そのともしびが消えることだけはあり得ない。彼らの心は、たった一つだけなのだから。
「じゃぁ、行くよ。みんなの世界の俺にも、よろしく言っておいてくれ」
「……ほどほどには、楽」
キリトとミヤビが、己が支配する世界へと帰っていく。心と心が交錯し、蝕み合うあの世界で、二人の絆が世界を救う礎となってくれるだろう。それは予感であり、確信だ。きっとあの二人なら、どんな厳しい世界にも負けることはあるまい。
「次はデュエル大会にでも出て見たいな。もちろん、こんなふうな休みも面白いんだけどさ」
「刀馬ってば……まぁ、それがあなただから、それでいいかな。じゃぁね、皆!」
ジンとシーナが、月に導かれた彼らの世界に戻った。星々の意思に揺り動かされ、あの世界はこれからも動いていく。だが、あの二人が引き裂かれることはもう二度とあるまい。それだけの絆が、気付かずとも彼らの間にはすでにあるのだ。
「じゃ、またな。俺の不運の分まで、お前らに幸運が来ることを祈ってるぜ」
「リュウ、リュウ、あなたが不幸なら、私がその倍以上幸せにしてあげるからね」
リュウとマリーが己の世界へ帰った。二人には無限の不幸が降りかかり、これからも降りかかるだろう。だが、どうか忘れないでほしい。彼らにはその等倍以上の、無限の幸福があって、これから先に待っているのだ、という事を。
「人生は刺激があるから面白い――――忘れるなよ? 俺達の人生は、まだまだこれからなんだからな」
シュウがそう言い残して、己の世界へ戻った。stylishでcoolな彼の物語は、完結こそすれ、終結することはありえないだろう。彼はこれからも、格好いい先導者として語り継がれていくはずだ。
「……俺達も、行こうか」
「うん」
仲間たちが己の世界へと帰るのを見届け終えたセモンとコハクは、顔を見合わせて頷き合った。
《白亜宮》が噛んでいる、という時点で、どうなることかと思った旅行であったが――――
「どうしてなかなか……こんな休日も、悪くはなかったな」
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