マブラヴ
0899話
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クセルだからいいんじゃない。恭子様もそう思いませんか?」
「……その辺はノーコメントとさせて貰います」
薄らと頬を赤く染めた恭子の言葉に、夕呼は小さく首を横に振る。
「分かって貰えませんか、残念です」
「あのねぇ、夕呼。あんまり真面目な子をからかわないの」
そこに登場したのは、レモン。
夕呼を窘めるような事を口にしてはいるが、その手に持っている日焼け止めのオイルが全てを台無しにしている。
何だかここにいても、面白くない事態に巻き込まれるだけな気がしてきた。
「社、ちょっとここから脱出しないか?」
「……はい」
手に貝殻を持ちながら、社は俺の言葉に同意する。
そのまま何か会話している夕呼やレモン、恭子、あるいはそのお付きの女の斯衛をその場に残し、影のゲートを作って社と共にそのゲートへと沈み込んでいく。
「あ、ちょっ、こら、アクセル。あんたまだ私にオイル塗ってないでしょ! 大体、何だって社まで連れて行くのよ!」
そんな夕呼の声を聞きながら社と共に影のゲートへと沈み込み……砂浜から少し離れた場所の影から姿を現す。
「大丈夫だったか?」
影から出た後で社へとそう尋ねると、余程に今の体験が予想外だったのだろう。耳を激しくピョコピョコとさせながら小さく頷く。
「……びっくりしました」
「だろうな。ま、今のが影のゲートと呼ばれている転移魔法だ。ほら、向こうを見ろ」
視線の先は夕呼達の姿があり、つい先程まで俺達がいた場所が見える。
向こうからもこっちを見つけたのだろう。夕呼が指さしながら騒いでいるのを尻目に……ふと、海の中から何かが近づいてくるのを感じ取る。
まぁ、この世界なんだからジョーズとかモンスターとかそういうのじゃないだろうけど。
いや、いっそBETAだったりはするのか?
そんな風に思っていると、やがて海の水の中からゴツい体型の男……ムラタが姿を現す。
意外な事に、フンドシの類では無くきちんとした海パンを履いている。
その手にはモリが握られており、そのモリの先には70cmはあろうかという大きな魚の姿。
「む? アクセルか。見ろ、この魚を。随分な大物が取れたぞ」
「……そうだな」
予想以上に馴染んでいるな。
以前の花見には来なかったのに、海は存分に楽しんでいるらしい。
「ただ、その魚を食うのは止めた方がいい。基本的にこの世界の海産物は重金属で汚染されているしな。その辺の問題が無いのは、ハワイとかのAL弾頭の使用を禁じられている海域だけだ」
「……む、確かに以前その辺の話は聞いた覚えがあるな。なら、この魚はどうすればいい?」
「基地の人員に渡してくればいいんじゃないのか? 向こうで何とか処理してくれるだろうし。ちなみに夜
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