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とある愚者の転生記
リリカルなのは編
第五話 俺は、野比のび太。風小(風芽丘小学校)の二年生だ
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トに遭遇したな。バニングスさんの身代金か月村さんの血族か。
 だがテンプレ通りなら、誘拐されるのを助けに行って、戦闘民族高町人とニアミスするんだよなぁ。助けに行くんじゃなくて、一緒にさらわれてどうするよ、俺。

 微妙に今の自分に凹んでいると2人が目を覚ましたようだ。

「「うーん」」
 自分の状況がつかめないんだろう、2人とも目をぱちくりしている。

「何よ……」
「えーと、ここは何処ぉ?」
 手足を縛られ転がされてるのに気付いたのか、一転してパニックになったみたいだ。

「うるさいぞ、ガキども。静かにしとれや」
 この部屋の扉の向こうの見張りだろうチンピラが、ガンッと扉を蹴り、威嚇して来た。
 とりあえず、部屋に入って来ないようなので助かった。

「アリサちゃん」
「すずか」
 ビクッとしてお互いに気付いたのか、声を掛け合います。

「気ぃついたか。大声を出しても無駄だから喚くんやないぞ。それと逃げ出そうとしても無駄やからな」
 チンピラにそう言われて、2人は自分達が誘拐されたと理解したんでしょう、顔から血が引けてます。

「あぁ、落ち着いて、2人とも。パニクるのはわかるけど少し落ち着こうか」
「「誰?」」
 おや、全然気付いてませんね。って、「絶」をしてたから気配が無かったか。
 「絶」を解き、小声で話しかけます。

「俺は、野比のび太。風小(風芽丘小学校)の二年生だ」
 小声で話しかけたのを察したのでしょう。2人は互いに目を合わせて、「アリサ・バニングスよ。聖祥大学付属の二年生」「月村すずかです。アリサちゃんと同じで聖祥大学付属の二年生」と答えてきます。

 やっぱりこの2人はアリサ・バニングスさんと月村すずかさんでした。いきなり原作?に巻き込まれました。どちらかというと「リリカルなのは」よりも「とらいあんぐるハート」っぽいが。

 その後、3人でわかっていることを話し合います。というか、この2人、すごいなぁ。「落ち着け」言った俺が言うのも何だけど、こんな状況でよく落ち着けるよなぁ。本当に小学生か?

 とりあえず、落ち着いて手持ちのカードを確認してみる。
 念による身体強化。多分、戦闘民族高町人でもない、そこそこの荒事に慣れた程度の大人なら無双できるはず。ただ、刃物程度なら「堅」で防げるが、相手が銃とかになると「堅」でどこまで防げるかわからん。「硬」の一点なら余程大丈夫と思うけど、その一点を外してしまうと大惨事になるな。
 霊剣。五十センチくらいの包丁程度の切れ味の刃にオーラを変化させれる。場所は手や指、足先とかだ。まぁ、さっきは舌先で猿轡を斬ったが。指先からの霊剣で手足を縛っているロープを斬ってしまえばすぐに自由になれるので、今のところ、落ち着いていられる。
 気弾。十秒
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