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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百十一幕 「古の巨人の力」
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逆さまに山へと落下する。
ベテラン三機掛かりでも突破できなかった陣形を、ただの二撃で崩壊させた。
あれが――「あんなもの」が、護衛対象なのか――と、あさがお部隊の人間はそう思ってしまった。
虚ろな目で唸りながらだらりと両の腕をぶらさげ、背中から生えた巨大すぎる腕を振りかざすその姿は、魔神――もしくは、悪魔。
まるで腕が人間を乗っ取ったかのようにさえ見えた。
と、その時残存したドゥエンデの内の一機がベルーナに背を向けた。
一瞬、その個体もベルーナに撃墜されると周囲が身構える。
だが――ベルーナはそちらに興味がないようにピクリとも反応しなかった。
『アニマス10はこれより戦闘を放棄、アニマス11及び19のコアブロックを確保して戦域を離脱します』
『アニマス31より10へ、そのような行動は指示されていない』
『現状の戦力で神子を確保するのは不可能と判断。戦闘不能になった個体を確保して一時撤退し、戦力を整え直すことが利益に繋がると判断』
『……その行動ルーチンを承認する。これより戦闘不能個体を回収し、現区域を撤退する』
残った二機は武装を破棄して撃墜された味方機へと向かう。
咄嗟にそれを阻止しようと銃口を向けた祇園寺は、そこで背筋を貫くような悪寒を感じて咄嗟にライフルを捨てながら後退した。その瞬間、ライフルがベルーナの巨人の手に捕まれ、ぐしゃりと握りつぶされた。紙細工のようにひしゃげたライフルを目の当たりにし、戦慄が走る。
攻撃される。直感的にそう判断して腕部でガードポーズを取りながら衝撃に備える。
だが、またもやベルーナはそれを無視した。唐突に攻撃を開始し、また唐突に止まる。その行動の論理が分からずに呆然としていると、ジョウがぽつりと呟く。
「……戦闘意志に反応した、のか?ドゥエンデを撃墜したのも武器に反応しただけ……?」
《であろう。言うならば、せめぎ合う二人が他者にちょっかいを出されぬように布いた共通陣地があれだ》
スーパー鈴も附随するように頷く。害意ある存在を自動で攻撃、破壊する自己防衛システムのようなものだ。それがたった今、圧倒的なまでの暴力で相手を押し潰した。もし彼を止めるために戦う意志を少しでも見せれば、あの黒い怪物は味方にさえも襲い掛かるだろう。
誰しもが彼をどう扱えばいいのか分からず、或いは様子見の静観を決め込む。
ベルーナは未だに理性を感じさせない虚ろな目で唸る。ひょっとしたら彼は、いまだに自分がどういう状態になっているかすら理解していないのかもしれない。あの白と黒の入り乱れた巨碗だけが、獲物を探すように彷徨う。
そんな彼に、近づいた人間が一人。
「ベルくん」
「ぁああーー……あ、うぅ……」
「ベルくんってば」
あの光景を見て尚もその少年に気兼ねなく近づ
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