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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百十一幕 「古の巨人の力」
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無理そうだな!!」
《すまない……宿主の覚醒を待たずしての能力行使だ。今は結界を維持するのが精いっぱい……結界を狙う銃撃も可能な限り防いでくれ》
「無茶言う仔猫ちゃんね、どうも。だが文句を言っていられるほど暇じゃないか……!」

結果、最高戦力であるジョウがその流れ弾を捌くために巨大な結界を防衛することになり、率先して前へ出るべき黒田もスーパー鈴の防衛に当たらなければいけない事態に陥った。

だが、流石は歴戦のIS乗り。3機で4機のドゥエンデ相手に互角に撃ち合えるのは賞賛すべきだろう。なにせこのドゥエンデ、推定スペックは平均的な第三世代ISを越えているのだ。ゴーレムが火力と防御力に特化しているとすれば、ドゥエンデは機動力と精密動作で上を行く。そのような相手に実質的な第二世代カスタム機だけで戦えていることが、確かな実力の証明だろう。

もし結界を破られれば、折角お膳立てして突入させた佐藤さんもベルーナも助けることが困難になる。
歯を食いしばってハルバードで敵の攻撃を弾きながら、ジョウは鈴の方を見やった。

水津花(みずか)……お前、こうなることを知ってて鈴の事を……?)

ジョウは――この中でジョウだけは、鈴の身に何が起きたか知っている。鈴の過去に何があったかも、また。だがそれを彼女に告げることは禁じられていた。調べてくれた親友に口止めされていたのだ。
理解は出来る。納得は出来ない。これはそう言う類の戦いだ。

(いいのかよ……水津花(みずか)。俺達の残したツケなんだぞ。俺たち以外にも手伝わせていいのか?それとも……もうこいつらにとっても無関係じゃないからか)

いずれにせよ親友と一度話し合わなければいけない――そう思考したジョウの背後、使徒に異常が起きた。
結界が弾け、中の球体が膨張する。ビシビシと音を立てて崩れ出した結界を目の前に、スーパー鈴が呟く。

《これは、遅かった……?いや、違う。これは性質と概念が衝突して拮抗している?》
「何だ!成功か失敗かはっきりしろ!!」
《どちらともいえない――が、どちらにしろ結界は必要なさそうだ。――出てくるぞ!!》

瞬間、実体がない筈の球体は内側からミシミシと音を立て――

ドオォォォォォォォォンンッ!!!と轟音を立てて破裂した。爆発はまるで血液のような真赤な飛沫を撒き散らして山々を真っ赤に染め上げる。
まるで腹から盛大に血をぶちまけた様なその様に、周囲が顔を顰めた。今まで無機物だと思っていた物なのに、破裂した瞬間にどうしてか妊婦の胎を連想させられた。それが、突き破られた。

同時に、ジョウは直感的に手を伸ばして、その爆発から弾きだされてきた金色の塊を空中で受け止める。慣性を殺すように掴んだ身体ごとくるりと一回転して、改めてその姿を見たジョウは予想通りと言
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