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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
外伝 苗っち、幻想郷に来たいきさつ
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さを知っている。実戦ではほんの些細な切っ掛けでその実力差がいとも容易く覆されるのだ――太公望自身がそうして勝機を勝ち取ったように。
そして苗はそれとは別に、心に大きな重りを抱えていた。それは誰に言われるでもなく自分で背負った重りであり、彼女はそれが自分の何を押さえつけているかを正しく理解していた。
「……分かってる。ちゃんと考えて、うんと悩んで行動するよ。もうぽんずのあんな姿は……見たくないもん」
「ぅまお」
ぽんずが苗の足元に寄り、その身体を彼女の細い足に擦り付ける様に寄り添う。ぽんずの手入れが行き届いた手触りのよい毛がもふり、と彼女の皮膚に触れた。
「……もふもふ、もふも……い、いけない!今は自重今は我慢……」
((急に大丈夫か不安になってきたのう(ッス)……))
大の「もふもふ狂」である彼女の一瞬だらけた顔に頭を抱えた太公望とスープーだった。
「まぁよい。向こうは観光する分には美しい土地だから直ぐに面倒事に出くわすことはないじゃろう……では」
太公望がすっとあげた手に呼応するように空間の一部が長方形に切り取られ、その向こうに周りの風景とは微妙に違う景色が広がった。それこそが、彼女がこれから向かう場所への入り口。
「行ってくるがよい。人も神も
妖
(
あやかし
)
も、全てを受け入れる美しくも残酷な地へ」
「お土産待ってるッスよー!!」
「行ってきまーす!!」
「まーお」
こうして、私は幻想の土地に足を踏み入れたのであった。
その地の名を――「幻想郷」という。
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