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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
外伝 苗っち、幻想郷に来たいきさつ
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のお兄さんが「さすがに『ぽんず』では皆も呼びにくいでしょう」とくれた名前で、公の場用の名前みたいなものかな?

ちなみに私もみんなの前ではお兄ちゃんの事を師匠と呼んでいたりするが、個人的にはお兄ちゃんと呼んだ時のリアクションの方が面白いのであまり使わない。

閑話休題。白鶴さんは私の前にストンと降り立つと、変化の術で青年の姿に変身する。これは白鶴さんなりの変化の修行で、地面に降りるときは人型、飛ぶ時は妖精型で使い分ける事で変身に磨きをかけているらしい。
本来妖精でありながら変化で常に人の姿を保てると仙人として一人前と認められる。なのに更に変化に磨きをかけるために敢えて仙人の認定を受けない白鶴さんはかなり努力家だと思う。

「いたいた!こんな所で休んでたんですか……」
「どしたの白鶴さん?」
師叔(スース)と教主様が呼んでいたので崑崙山(こんろんざん)Uの教主様の部屋に至急向かってください!」
「師匠と教主さんが?何の用だろう……」


それが私の新たな冒険の始まりだったとは……流石に予想外だったと今でも思うんだよね。



 = = =



「では、気を付けてゆくのだぞ?」

そこは日本のド田舎のどこかに存在する山。周囲に人も殆ど住んでおらず、先ず人の立ち入ることのないその山に2人と2匹が立っていた。目の前にはなんの変哲もない岩が一つ立っている。

2人のうちの1人……太公望の声に、苗は人差し指と中指を立ててピースを作って応える。

「大丈夫大丈夫!修行、お使い、いいつけ!全部守るし忘れ物もないよ、お兄ちゃん!」
「いい加減その”お兄ちゃん”は止めてほしいもんだがのう……」
「いいじゃないッスかご主人。こんなかわいい子に慕われて何が不満なんスか?」
「うるさい!止めてほしいもんは止めてほしいのだ!」

太公望の霊獣である四不象(スープーシャン)の不思議そうな声に太公望はそう言ってぎろりと睨む。確かに彼女は明らかに太公望の娘とも言える「他3名」に比べれば随分可愛らしいし、実際仙人界でもどっかのロリを出し抜いてアイドル的な立ち位置にいるのだが……

「とにかくだ!向こうの管理者には話しを通してあるとはいえ、お主が苦戦するような相手も向こうにはおるだろう。油断と迂闊な行動は慎むのだ――お主の為を思って言っておるのは、分かっておるな?」

声のトーンが一段下がった。普段は軽いノリで課題を押し付けてくる太公望だが、今回のこれはいままでの修行とはわけが違う。今までの修行には苗が命の危機に瀕するようなことが無いよう安全性を確保して行っていた。だがこの先ではそれが無い。
苗が現時点で既に”切り札”抜きでも上位仙道に匹敵する力を持っているとは言え、命懸けの戦いを何度も潜り抜けてきた太公望は現実の非情
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