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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
外伝 苗っち、幻想郷に来たいきさつ
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りつけながら彼女の方を見た。
「馬鹿な!何故!?いつ気付いた!!」
「
玉鼎
(
ぎょくてい
)
さんは意味もなく斬仙剣を振り回してたわけじゃない!私が”いる”と踏んだ玩具群に絶妙な力加減で小さな傷をつけてたんだ!」
よく見れば、彼女が当たりをつけた一体の玩具にはすべて薄く小さな切り傷のようなものがあった。そしてもちろんそれは捉えられた敵にもだ。そして、敵の切り傷には他の玩具では決してありえない”あるもの”があった。
それは、血だ。生物にしか流せない筈の血を流す、それこそが玩具ではない存在の証拠。
「お前だけがその傷から血をにじませていた……つまり、お前だけが生身!!イコール部屋の主だ!!」
瞬間、部屋の四方から空間が崩れ落ち、晴れ渡る青空がのぞく丘へと周囲が姿を変えた。肌を擽る清涼な風が当たりを吹き抜け、彼女の髪をはためかせた。
周囲を取り囲むのは笑顔の人、そして捉えた敵と同じ人ならざる存在達。それらは一様に彼女を祝福するような笑顔を浮かべていた。
「おめでとう苗!!戦闘訓練上の下、『VS十天君その1』クリアーだ!!」
「漸くだな!」
「おめでとー!!」
「頑張ったなぁオイ!よくヒントに気付いたな!?見てるこっちも難しいと思ったのによ!」
「”ヒント”の”頻度”が少ないのに見事なもんだ!」
「やったぁぁーーー!!やったよみんな!」
「協力した甲斐があったわね!アタシのおかげよ?」
「ぅまーお」
「ふっ……まさか太公望のした作戦を私が再現することになるとはな」
訓練に手伝ってくれたメンバーの一人である孫天君を小脇に抱え、
鳳苗
(
おおとりなえ
)
は声援を送ってくれた皆に笑顔で手を振った。
「いやークリアするのに10回もやり直す事になっちゃったよ……もう、師匠ったらこんな初見殺し簡単に突破できるかー!ウガー!!」
「太公望は初見でクリアしたぞ」
「……玉鼎さん、それマジ?」
「あの時は私が苗の役でな。もっとも命懸けだったからヒントを出さないなんて意地悪をする余裕は無かったが」
「おいコラ苗ちゃん?そろそろ僕ちゃんを解放してくれねーですかねぇ?あ、ちょ、拘束キツクしないでくださいお願いします!!」
師匠
(
おにいちゃん
)
頭脳ヤベー……と改めて実感した苗は、訓練で敵役をしてくれた孫天君を今まで馬鹿にされまくった腹いせにギリギリ光輪で締めつけながら「次からもう少し自分の師を敬おう」と決めたのであった。
ここは地球より離れた一つの惑星。その名を「スターシップ蓬莱島」。今となっては世界で最古の仙道の修行場所であり、今だ生まれ続ける仙人の素養を持った者と、その師が住まう場所でもある。
= = =
ここに来てからもう2,3年経った。仙道の修行はなか
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