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【銀桜】4.スタンド温泉篇
第7話「文句は面と向かって言え」
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、妻を護ろうとした男も、安堵の表情で黄泉の門へ飲まれていく。
 そして――負の念を取り込んだ人間でさえも。

 光が小さくなるにつれて、身体を引っ張られる感覚も薄れていく。
 だが双葉だけは違った。
 彼女の中に潜むモノは、異常なまでの力で黄泉の門に引っ張られる。
 そして庭木を掴んでいた手は少しずつ剥がされていく。
「双葉ァ!」
 ほぼ反射的に銀時は身を乗り出して彼女の手を掴もうとする。
 無論、双葉も差し出された兄の手をとっさに掴んだ。
 ……ほんの一瞬だけ。
「え?」
 それは錯覚だったのか。
 双葉がどこか穏やかな表情を浮かべたように見えたのは。




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 ただ一つ言えるのは、掴んだ手は銀時から離れ、双葉が黄泉の門に飲まれたこと。
「双葉ぁぁぁぁぁぁぁ!」
 無我夢中で銀時は光の中に消えた妹を追いかける。
 身を投げ出して、彼は黄泉の門へ飛びこんだ。
「ギィィィィィィン!」
 同じくレイも後を追って黄泉の門へ入っていく。
「銀さん!双葉さん!!」
「銀ちゃぁぁぁぁん!」
「レイぃぃぃぃぃ!」
 新八達の叫びに反して衰えていく紫の稲光。
 そして三人を飲みこんだ後、空間の裂け目は消滅した。

=つづく=

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