三十二話:愛おしいこの幸せ
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さんを見て鼻血を噴射していたがそこは省いてもいいよな。
他の人の水着? 今の俺は黒歌にしか興味が無いんだ。だから特に何もない!
小猫? 小猫は妹だから褒めてあげただけです。
「ルドガー、あーん」
「あーん」
しばらく遊んで、遊び疲れたので、俺達はプールサイドで部長が趣味の為に持っていた、かき氷器で作ったかき氷を食べている最中だ。因みに作っているのはイッセーだ。偶には食べる専門なのも悪くないな。そんな事を考えながら黒歌にかき氷を『あーん』してもらう。
みんなの前でイチャつくのは自重しようと思ったけど黒歌がナチュラルに俺にスプーンを差し出してきたのだから仕方ない。早く食べないと溶けるしな。
それと、イッセーがそんな俺達の様子を見て血涙を流しながらかき氷器を回していたり、アーシアがそんなイッセーに『あーん』させたいが今は動いているので迷惑かな、でも、させたいと葛藤してオロオロとしていたり、小猫が呆れ顔でこちらを見ながら食べていたせいか頭がキーンとなって顔をしかめているのはなぜだろうか?
「あら、シロップをかけ過ぎたかしら。妙に甘いわね」
「部長、その部分には何もかかっていませんわよ」
「イッセー君、僕の分を食べるかい?」
「野郎にやって貰うほど寂しくはねえよ!」
何やら真っ白な氷の部分を食べて甘いと呟く部長にツッコミをいれる朱乃さん。
何故か、イッセーに『あーん』させようとしたのが失敗して本気でへこんでいるように見える祐斗。そんな状況を眺めながら俺は黒歌に『あーん』をする。
「そう言えば、そのパーカーって私がモデルになっているのかにゃ?」
「ああ、黒歌が可愛くて仕方がなかったから作ったんだ」
「にゃははは。そう言われると照れるにゃ」
俺の『クロパーカー』のモデルにした理由を素直に伝えると照れたように笑いながら俺の方に寄りかかって来る黒歌。そんな様子を見てゼノヴィアは何やら『参考になるな……』などと呟いているが何の参考にするつもりだ。もしかして、イッセーの事が好きになったのか?
そう言えば、前にクラスで何か騒いでいたような気がするな。その時は待ち受けの黒歌の画像を見るのに忙しくてよく聞いてなかったけどな。……最近は特に何もなくて平和だな。
ありふれた日常、それがどれだけ大切な物かを噛みしめる。
「黒歌……俺、今、幸せだよ」
「……私もにゃ」
そう言って二人で微笑みあう。ああ……本当に幸せだな。この幸せを守りたい。
叶う事ならこの幸せがいつまでも、いつまでも続いて欲しい……そう願っている―――
幸せな“世界”なんてどれだけ望んでいてもすぐに壊れて消えることなんて―――
――俺が誰よりも
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