三十二話:愛おしいこの幸せ
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現在俺はみんなのプール掃除の指揮をとっている。全く、みんなは掃除の神髄ってものをまるで分かっていない。少々痛いかも知れないが、身をもって知ってもらおう。俺は汚れを十分に落としきれていなくて落としきるために後退するという効率の悪い掃除方法をしているイッセーの口の中に向けて“弾丸”を放つ。『ヘバアッ!?』と変な声を上げて崩れ落ちるイッセーに詰め寄りとどめの一撃を放つ。イッセーはそんな俺に何か言いたそうにもごもごと口を動かしてゴクリと“弾丸”を飲み込んでから立ち上がり口を開く。
「色々と言いたいことはあるけど、まず、言いたいことは何で銃弾の代わりに『ミニトマト』が撃ちだされてくるんだよ!?」
「何か問題でも?」
「大ありだよ!?」
さも当然のように返すと何故かイッセーに突っ込まれる俺。俺の神器が俺の願いを具現化させた武器に何て事を言ってくれるんだ。俺がより早く強く相手にトマトを食べさせたいと願った結果生まれた夢の武器なんだぞ、これは。今はミニトマトサイズしか発射できないがゆくゆくは普通のトマト、そして理想としてはバズーカ砲にデカトマトを詰め込んで発射出来る様にしないとな。いや、夢が広がるな!
「お前本当にトマトが好きだよな……」
「少なくともイッセーよりは重要な物だな」
「俺はトマト以下なのかよ!?」
「?」
「何だよ、その『当たり前だろ、なに言ってんのこいつ』見たいな顔!?」
ええー、そんなの当たり前だろ。俺にとって、トマトは無くてはいけないものでイッセーはまあ、別に無くてもいけるだろってところだな。俺の中での大切な者ランキングは黒歌がトップでそこに越えられない壁が存在して、次がトマトでその下にみんなだな。別にみんなが嫌いなわけじゃないぞ。
ただトマトがないと俺の体を構成する成分が補給されないだけなんだ。
そろそろ食べなかったら禁断症状が表れるようになるかもな。
あ、因みにエルとルルと兄さんとミラは大切な者ランキングに殿堂入りしている。
「とにかく、早いところ掃除を終わらせるぞ! 妥協は許さん!」
「分かった、分かったからその突きつけたトマト銃を離してくれ!」
仕方ない、食材を粗末にするわけにはいかないからな。俺は銃を下ろしてイッセーを自由にする。さて、そろそろ俺も取りかかるとするか。俺は剣を取り敵を睨み付ける。ふっ、見せてやろう、掃除スキルを極めし者の真の力を!
「……プールが光輝いています」
「光沢が生まれるなんて……どうなっているの?」
「まるで新築ですわね……」
「凄くキレイになりました!」
俺の掃除スキルによって生まれ変わったプールを見
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