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Bistro sin〜神の名を持つ男〜
初めての来店.4

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.4
いよいよその日は訪れた。
月曜日、古田は約束通りにやって来た。
平泉がニコッと笑って、古田を席に案内した。
「お待ちしておりました。お料理も間もなく参りますので。」
平泉がそう言うと、ものの10分程度で厨房から料理が運ばれてきた。
古田は、待ってましたとばかりに席に料理が運ばれてくるのをワクワク待っていた。
運ばれてきた料理は「パエリア」と「チョリソー」
代表的なスペイン料理だ。

古田が心踊らせながら、「いただきます」と言って料理を一口食べる。
「う、美味い…」
古田は驚きを隠せなかった。
メニューに書いてある訳でもないのに、こんなに完璧なスペイン料理が作れるのかと。
すると、平泉がグラスを持ってやって来た。
「よろしければこちらもいかがですか?」
手には、オルホと言うスペインの蒸留酒を持っていた。
「いいんですか!?」
「えぇ、もちろんです。お客様に温かいおもてなしをすることが、私たちの喜びですので。」
賢太郎は心の中で、「カッコいい」とその台詞に憧れていた。

古田は、とっても満足した様子で帰っていった。

その日の閉店後の食卓の時間、平泉はガルドマンジェの藤田へ声をかけた。
「藤田さん、オルホの調達ありがとうございました。とても、役に立ちました!」
「いえ、頼まれたことをしただけですから。」
酒の調達も藤田の仕事なのだ。
その日の食卓の時間も、従業員たちは温かい賄いの料理を囲み
暫く歓談して過ごした。0時になると各々がそれぞれ帰っていく。

その日の帰り、藤田は奇妙な光景を目にした。
それは、巷で話題の『断罪』を今まさに行っているところだった。

「おい!」
と藤田が声をかけると、藤田に気づいた犯人が藤田に襲い掛かってきた。
手にはナイフを持っていて、それを藤田に突きつけた。
藤田はかろうじでそれを避けた。
たまたま近くを巡回していた警察官が、それに気づき近寄ってきた。
「何をしてる!!」
男は逃げていった。
襲われた男は傷口が深く、出血多量で救急車が駆けつける前に息を引き取った。

こうして、Bistro sinと話題の事件は、図らずも運命を交錯させていくのだった。
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