第十三話 立花中尉!野球は九人でするものだ!その八
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「あくまで日帝衆と戦う為のものです」
「正義の力ですから」
「自分より力の弱い相手は攻撃しないです」
「絶対に」
「そうあるべきだ、私も暴力は振るわない」
決してというのだ。
「絶対にな、しかしだ」
「秘密を探る奴は、ですか」
「それこそ」
「南港か富士の樹海か」
その剣呑な目での言葉だ。
「どちらがいいかだ」
「どっちも遠慮したいですね」
「何があっても」
これが二人の返答だった。
「そんなとこ誰が行きたいんですか」
「しかも死んで」
「コンクリ詰めにしても埋められるにしても」
「どっちも嫌ですよ」
「君達でも同じだ」
にこりともしていない、明らかに本気の発言である。
「私の秘密を知ることは君達なら仕方ないが」
「口外すれば、ですね」
「その時は」
「選んでもらう」
まさに究極の二択である。
「南港か樹海か」
「はい、どっちも遠慮します」
「絶対に」
これが二人の返答だった。
「天寿全うしたいですから」
「何があっても」
「口は災いの元だ」
明らかな警告だった、それも命に関わる。
「その言葉は覚えておくことだ」
「ええ、わかってますよ」
「そうしたことは」
「俺達だって命は惜しいですから」
「そんなこと絶対に外では言わないです」
悪田部の秘密はというのだ、具体的に言うならば彼の女性関係や汚職、そしてヤクザ者よりも洒落にならない組織とのつながり等だ。
それでだ、二人もこう言うのだった。
「百五十歳まで生きて女の子達とウハウハしたいですから」
「夢は百二十で子供を作ることです」
中村富十郎さんも上原謙さんも超えてだ。
「百二十で二十歳の女の子愛人にして」
「子供作りますよ」
「そうか、百二十歳でか」
百歳を超えて子供を作った者はいないであろう、おそらく。しかし二人は百二十まで生きて子供を作ろうというのだ。
「どうやら君達は漢だな」
「はい、大島優子さんみたいな人と」
「その時二十歳の人と」
目を輝かせてだ、二人は悪田部にその果てしない夢を語った。
「子供作ります」
「そしてその子が三十になって孫の顔見て死にます」
「百五十歳になったその時に」
「眠る様に息を引き取ります」
「君達はいい死に方をしないと思うがな」
このことは誰もが思うことだった、悪田部に限らず。
「友人の結婚式に向かう途中でチンピラに刺されて死ぬだろう」
「何ですかその死に方」
「あまりいい死に方じゃないですか」
二人も抗議する死に方だった。
「幾ら何でも」
「それはないですよ」
「若しくは紛争を止めに行ってそこで現地のゲリラに捕まって処刑されるか」
「それ辻政信さんですよね」
「あの人そうして死んだって説ありましたね」
公式には行方
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