第十三話 立花中尉!野球は九人でするものだ!その七
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「だが、だ」
「欲望のままに動いて、ですね」
「他人を陥れ殺したりとかはないですよね、悪田部さんは」
「確かに政敵を蹴落としてもいますけれど」
「そうした相手は殺してないですね」
「一族郎党に手を出したりとかは」
「私は必要な相手しか消さない」
己のスキャンダルを探ろうとしたり秘密を喋ろうとした者だけだというのだ。それもガセや噂の段階では動かない。
「相手の家族にも財産にも興味はない」
「一切、ですね」
「そうしたことには」
「そして権力を利用して横暴を極めたり国家の利を貪る趣味もない」
「でよね、確かに汚職しますけれど」
「それでも」
「私は極悪だ」
またこう言うのだった。
「しかし邪悪ではない」
「悪は悪でも、ですね」
「そこは違うのですね」
「吐き気を催す邪悪とは私利私欲の為に他人を殺し利用しいたぶる」
そういうものだというのだ。
「悪意に満ちた行動をしたりすることだ」
「そういうものが吐き気を催す邪悪で」
「悪田部さんはしないんですね」
「私の美学に反する」
悪は悪でも、というのだ。
「吐き気を催す邪悪には美学がない」
「悪の美学がですか」
「それがないんですね」
「悪意に満ちた輩は性根が腐っている」
その悪意に己が取り込まれだ、そうなっていくのだ。
「腐った輩に美学はない」
「醜いだけですか」
「腐っていて」
「そうだ、私は美学を持っているつもりだ」
「悪は悪として」
「それがあるってことですか」
ここでだ、二人は自分達のことに気付いた。その気付いたことはというと。
「まあ俺達も戦いの時は手段選ばないですけれど」
「日帝衆以外には中指を立てても攻撃はしないです」
「俺達の相手は日帝衆ですから」
「それにパワースーツの力は凄いですからね」
光速で動くことが出来しかも驚異的なパワーも発揮する。人間のあらゆる能力を開花させもする。このパワースーツの性能はかなりのものであることは確かだ。
「そうした力は人には使わないです」
「強い力は自分より弱い相手に使ったら駄目ですよ」
「俺達もそういうことはわかってるつもりですから」
「絶対にしないです」
「力は強い相手と戦う為、何かを守る為のものだ」
また言う悪田部だった。
「弱い相手をいたぶるなら正しい力ではない」
「暴力ですよね」
「それになりますよね」
「暴力は否定すべきものだ」
ましてや正義のヒーローならばというのだ。
「それは使うべきではない」
「ですよね、よく暴力振るう屑いますけれど」
「それは悪田部さんとしても反対ですよね」
「それはヤクザの力だ」
暴力はというのだ。
「それだけのものしかない」
「ですね、俺達は暴力じゃないです」
「暴力は振るいません」
こ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ