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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
目覚め
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百鬼矢光』。



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「ん・・・ここは・・・?」

目を覚ました一輝はそこがどこなのかを知るために見まわそうとして・・・しかし、首を動かせず少しばかり困惑する。
何かしらの形で拘束されているのかとも思うが、首にそんな違和感はない。体中の感覚で違和感があるのは腕の点滴だけであるために、余計に困惑する。

《えっと、何でなのか・・・》

と、そこでようやく原因に行きついた。超がつくほど疲れているのだ。というか、動かすほどの力が湧かない、という方が正しいだろうか。

一輝はアジ=ダカーハとの戦いにおいて使える限りの力を使った。檻の中の妖怪の妖力を全て注ぎ込み、霊獣の霊力、蚩尤の神力、歪みの持つ力も同様にした。さらに湖札の呪力を約九十パーセント自分が使えるように変換して使い、最後には自分自身の呪力を死ぬ直前まで、さらに生命力も注ぎ込んでとどめの一撃を放ったのだ。
結果としてどうなるか、それは明らかだろう。それらが回復するまでは動けないのも当然のことだ。
と、そのタイミングで部屋の入口が開く音がして、一輝はそちらを見ようとして・・・首が動かないことで見れないため、ストレスをためる。

「あ・・・一輝さん、目が覚めたのですか!?」
「え、ホント!?」
「あー・・・その声は、リリとサキか?首が動かねえから、他に誰がいるのかも分からないんだけど・・・」

一輝がそう言うと年長組の二人はベッドに駆け寄り、一輝の顔を覗き込む。それ以上のもの音がしないことで一輝はこの二人だけなのだという事を認識した。
ついでに、物が落ちる音から何か持ってきてくれたんだなぁ、という事も。そして、それがダメになったかもしれない、という事も。

「あー、おはよう、二人とも。とりあえず泣かれると困るっていうのと、何がどうなってこうなってるのかとか聞かせてくれるか?」
「あ、はい・・・」

もう一人の一輝がサキと呼んだ少女だけは耐えられなかったようで泣き出してしまったが、リリだけはどうにかそれを抑え込み、一輝へと今の一輝の状況の説明を始める。
あの後何があったのかの説明ができた方がよかったのかもしれないが、あの時地上にいなかったためにそれは出来ないのだ。

「えっと・・・細かいことは清明様の説明を聞いていても分からなかったのですけど。」
「俺の診断、あいつがしたんだ・・・いや、陰陽の神だし、適任なのか・・・?」
「そんなことはどうでもいいんです!」
「あ、はい・・・」

軽くふざけることでその場の空気が変わればという一輝の発言は、わりと・・・いや、かなり本気目のリリの怒りの声によって潰された。そして、リリがここまでなるという状況にあの一輝が大人しくなった。

「とりあえず理解できたことだけお伝えしま
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