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101番目の百物語 畏集いし百鬼夜行
第五話
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「へ、へぇ、妹なんているんだ……」

 現実は、甘くなかった。普通にいたよ、ラインちゃん。そして、たぶんこれ本物だよ!
 確かに名前最近決まった感じだったね。というか俺の目の前で決めてたね!

『だから、その二人のうちのどっちかと会って専用の端末を受け取ったら……みたいなお話なの。もし受け取ったら教えてね?』
「オウ、任せとけ」

 ゴメンよ、ティア。俺は今、ティアに嘘をついてる。だけど、いつか話すから許してくれ。
 心の中でティアにそう謝罪すると、なんだか溜め息のようなものが聞こえてきた。

「どした、ティア?」
『あ、ううん。何でもないの。カミナ君の声を聞こうと思って電話したのに、喋ったの私ばっかりだったなぁって』
「俺はかなり助かったぞ」
『ならよかった。そう言えば、亜沙先輩とはどうなの?』
「ここでその話題を持ち出すか」
『うん、持ち出すよ。今日は一緒に帰ってた、って情報も入ってるしね』
「女子の情報網って結構すごいよな……」
『男子が思ってるのとは比べ物にならないくらいじゃないかな?それで、どう?うまくいきそうかな?』

 ティアは俺の恋を応援してくれているから、こうして気にしてくれている。楽しんでる部分もあるだろうけど、ちゃんとアドバイスもくれるからありがたい。アレクとは大違いだ。

「強いて言えば先輩の家でお茶を御馳走になったかな。前にもあったけど」
『男子を部屋にあげる、って言うのは一人暮らし相手には中々出来ないことだと思うよ?ちゃんと進んでるんだねぇ。それじゃ、アドバイスを始めようか』



 そして、俺はティアと長電話の夜を過ごした。



『それじゃあ、おやすみなさいカミナ君。また明日ね?』
「ああ、お休みティア。また明日な」

 結局、あれから夜中の2時まで電話をした。あまり長電話をして夜更かしをさせるのも悪いからそこで切ったんだけど。
 そしてそのまま布団に入り込み、寝る準備を整える。姉さんが気にするからちゃんといつも通り食事を風呂は済ませたので、もうあとは寝るだけだったのだ。
 と、そこで俺は今日会ったことを回想する。特に、一番強く印象に残っているあのラインという少女のことを。

「って、そういえば……」

 そして、連鎖的にDフォンのカメラを向けた猫のことも思い出す。
 あの猫が出てくる夢は、夢じいちゃんの授業中にみた。校門の柱の上で寝ている黒猫が出てくる夢。そして……

「今思い出してみれば、あの夢も俺が殺される夢(・・・・・・・)、ってことになるのかな……」

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