第五話
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都市伝説が出来たんじゃないかな?』
「なるほど、そういう流れで……」
真実ではないからこそ、真実しかないという噂が流れる。そうして出来上がったのが、『8番目のセカイ』という都市伝説なんだ。
『それでも、そのサイトが実際にあるっていう人もいて……私たちは、その実在を確かめたくて仕方ないの』
「そういうわけなんだな。でも、それだけ有名なら偽物もあるんじゃないか?」
『当然あると思うよ。だから、カミナ君が見たのも偽物だと思う』
「まあ、そんなのが簡単に見つかるわけないしな」
『一応、ファンファーレとその人宛てのメッセージ、って言うのは本物に繋がった人に流れるメッセージらしいけどね。内容も人それぞれで』
「ふぅん?」
そういや、俺のもそんなのが流れてたな……
『カミナ君は、何か言われた?』
「俺は、確か……『貴方は見事、百鬼夜行の主人公に決定しました』とか言ってたっけ?なんか、すごくめでたいことらしい」
『百鬼夜行、ってことは……ぬらりひょん?』
「俺は歳も取ってないし、頭も長くないんだけどな」
『確かに、カミナ君はちょっと射撃が得意な高校生ですからね。でも、ということは信憑性はあるのかも?』
「そこは信憑性がないほうがよかったよ……」
『ふふっ。でも、本物には専用の端末がないと入れないらしいし、やっぱり偽物じゃないかな?もし本物だったら、私はうれしかったんだけど』
「そうなのか……」
ティアが喜んでくれるなら、別に気味悪くてもいいかなと思う。親友が喜んでくれることは積極的にやりたいし。
それと、ティアの話とあわせて考えるとこのDフォンとやらは専用の端末なんだろうし。
でも……そう考えると、あのラインちゃんの言ってた『殺される』とかいう話がネックだ。話したことでその影響がティアにまで及ぶのだとしたら、それは全力で阻止しないといけないし。
この件については、もう少し分かるまで誰にも話せないな。
『あ、もう一つ。もしカミナ君が本物の『8番目のセカイ』に入ることになるとしたら、美少女に会うんだって』
「美少女、か」
ティアが意外と詳しいことに驚きつつ、しかし美少女というならティアも含めて毎日学校で会うんだけど。いや、そういう意味じゃないのは分かってる。きっと、ラインちゃんのこと……
『白い服を着た、小さな女の子。名前は『ヤシロ』ちゃん。神社の『社』と書いて、ヤシロ』
……あれ?ラインちゃんじゃなくて?
そうなのだとしたら、俺が今日出会ったのも偽物の一つということで……
これなら、明日にでも安心して話のネタに出来るかもしれない。いいことだ。
『あ、でも最近は妹もいるんだって。名前は最近決まったみたいで、『ライン』ちゃん。こっちは語源は知らないなぁ』
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