第五話
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考えてたから」
『ふふっ、確かに考えない方がいいようなことですね。世の中の犯罪って、そう言う思いつきから始まったものもあるだろうし』
何事も始まりは思いつき、ということか。それが浮かぶかどうか、というところで天才と凡人が分けられるのかもしれない。
そして、俺が急にあんなことを言ったのに少し考えて乗ってきてくれる辺り、ティアは本当にいい子だ。すぐに浮かんでくるわけではない、というところも個人的には好感触である。家もお金持ちらしいし、アレクのような残念なイケメンにはもったいない。銃を打ってる時のあいつと並べると、絵になるのかもしれないけど。あの時は本当にイケメンになるからな、アイツ。
……もしかすると、俺も亜沙先輩のファンにはそう思われてるのかもしれない。それも、最後の救いはない状態で。
「それで、ティアはどうしたんだ?何かあったのか?」
つらい現実から目を逸らしたくて、ティアに尋ねる。
『いえ、何かあったとかいうわけではなくて……その、寝る前にちょっとカミナ君とお話したいなぁ、と……迷惑、でした?』
「いえいえ全然。大歓迎ですよ」
ティアにそう言ってもらえると、本気で嬉しい。何というか、他のやつらが言ってる通りティアは守ってあげたくなる子なのだ。だから頼られると嬉しくなる。
俺の場合、女子に頼られると嬉しくなるというのもあるんだけど。
「それに、なんだかよく分からないサイトに入っちゃったみたいでちょっと怖かったから。ティアと話してホッとしたい気分なんだ」
『ケホケホ……ふふっ、私なんかの声でいいのなら、こっちも嬉しいです。それで、どんなサイトを見ちゃったんですか?』
どうやら、話の方向性はそちらで固まったらしい。
「えっと、だな……まず、そのサイトにつないだんだよ」
『はい』
「そしたら、いきなりファンファーレが鳴ったんだ」
『ファンファーレ?』
「そう。パンパカパーン!ってやつ」
『えっと、何かに当選して、そのサイトにつないだ、とか?』
「そうじゃない。いや、一応そうなるのか……?まあ、俺の方はそんな記憶もないし、意思もなかったわけだ」
『それなのにファンファーレ……なんだか不気味ですね』
「だろ?ちなみに、その後『おめでとうございます!』って音が鳴った」
『携帯のサイトでそれ、ですか……』
「そうなんだよ。しかも、俺の名前がでかでかと載って、クリスマスやらお正月やらお天気マークやら誕生日やら、とにかく色んなもので飾られてた」
『……それ、中々にカオスですね。ちなみに、その名前はカミナ君の方?』
「神無月凪の方。というか、そっちだったら本気で怖いから……」
その呼び方を知っているということは、俺が誰か友達と話しているところを見られた、ということ
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