第三十七話 川の中での戦いその十七
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た。
青空の下の銀閣寺を観てだ、こうしたことも言ったのだった。
「銀閣寺でも銀色じゃないんだな」
「そうよ」
黒蘭が薊のその言葉に応える。
「金閣寺とは違ってね」
「確かお金がなくて出来なかったんだよな」
銀箔を貼ることが、とだ。薊は言った。
「銀閣寺っていっても」
「そうした説もあるわ」
「幕府の力がなくなってて」
「そうも言われているわ、けれどね」
「他にも説があるんだな」
「建てさせた足利義政公の趣味で」
応仁の乱の元凶となってしまった室町幕府八代将軍だ。政治には関心がなく芸術に没頭したと言われている。
「最初からね」
「銀箔貼らなかったのか」
「そうも言われているわ」
「だから銀閣寺でもか」
「銀色ではないのよ」
「成程な」
薊は黒蘭の説明を聞いて頷きそれからまた銀閣寺を観た。銀色ではないがそこには確かな美があり薊はその美を堪能した。
第三十七話 完
2014・10・28
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