第七幕その三
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「このお茶と合うお菓子は」
「何がいいだろうね」
「やっぱり和菓子じゃないかな」
これが王子の勧めるお菓子でした。
「このお茶には」
「そうだね、言われてみればね」
「しかも京都のね」
お菓子もこちらでした。
「上等の和菓子だよ」
「京都は和菓子も有名だったね」
「京都はお料理も凄いからね」
「ああ、鱧とかお豆腐の」
「それで和菓子もなんだ」
それもだというのです。
「凄くレベルが高いんだ、けれど」
「けれどだよね」
「高いよ、値段も」
王子は笑って先生とトミーにお話しました、京都のお料理のそうしたところもです。
「そちらもね」
「あまりいいことじゃないね」
その言葉を聞いてです、トミーは困ったお顔になって言うのでした。
「それは」
「そうだね、神戸は食べものの値段安いよね」
「うん、そうだよね」
「大阪なんか特にね」
お店のお料理の値段が安いというのです。
「安いよね」
「その通りだね、けれど京都はね」
「あそこは高いんだね」
「それもかなりね、京都で美味しいものを食べようと思ったら」
それこそというのです。
「そうしたお店に行かないと駄目なんだよ」
「それはね」
どうにもと返す先生でした。
「僕にとってもね」
「先生今は結構収入あるよね」
「いやいや、確かに教授にしてもらってね」
そして、というのです。
「定期的な収入が得られたけど」
「それも結構な額でね」
「生活には困らなくなったよ、けれどね」
それでもだというのです。
「節約はしないとね」
「駄目なんだ」
「そう、無駄使いをしたら」
その時はというのです。
「ポリネシアに怒られるからね」
「ああ、ポリネシアは厳しいからね」
「そう、お金のことにはね」
「ダブダブもいるしね」
「ダブダブは余計にね」
ポリネシア以上にです、何しろお家の家計を任せられているのですから。
それで、です。先生も収入があってもです。
「無駄使いは出来ないんだ」
「ううん、じゃあまた京都に行っても」
「そんな高い場所には行けないよ」
とても、という口調でした。
「それに僕もそうしたお店はね」
「合わないんだ」
「あまりね」
「僕にご馳走は似合わないよ」
そうだというのです。
「普通のお料理でいいよ、むしろね」
「むしろだね」
「今ここにいるだけで」
日本にいると、というのです。
「充分過ぎると思うよ」
「そう思っているんだ」
「日本は食べるものがどれも美味しいからね」
先生がこれまで住んでいたイギリスと比べればです、日本の食べものは驚く程美味しいというのが先生のお話です。
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