合体魔法
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めに力をさかねばならないのだから。
しかし、次の瞬間雷鋼は驚愕に目を見開くことになる。なぜなら、その魔法の標的は雷鋼ではなく、他でもないチェフェイの主である徹だったのだから。そして、次に起こった出来事は、さらに彼の想定を遥かに超えた事態であった。
チェフェイのやけっぱちな叫びが聞こえ、徹は僅かに微笑んだ。彼女の叫びが常とは似つかわしくなかったからである。余程、納得できない命令だったのだろう。まあ、己でも客観的に見てとんでもない命令しているという自覚が徹にはあったので、自粛したつもりだったが、叫びにMAGのラインから続いてきたチェフェイからの罵詈雑言の数々に笑ってしまうのは、どうしようもないことだった。
その一方で、徹は集中の極地にあった。合体魔法を成功させるために、彼なりに努力していたのである。そも合体魔法は、ペルソナ同士の共鳴現象を利用して魔力の共鳴現象を起こさせるものだ。それをペルソナと悪魔でやろうというのだから、当然ペルソナの共鳴現象にかわる何かが必要だと徹は考えた。
その結果、彼が考え出した代替はMAG力場を利用することだった。自身のMAG力場の波長をチェフェイに合わせることで、ペルソナの共鳴現象にかえ、魔力の共鳴現象を起こさせようというわけだ。これは幸いにも、直接契約であるがゆえに上手くいった。
そして、かけられた魔法を取り込むようにペルソナを召喚する。徹の唯一無二の半身『トウヤ』を。使うスキルはすでに決定している。
徹に睡眠効果を表すはずだったドルミナーは、ペルソナの飛ばそうとする針に吸収され、次の瞬間それは放たれた。ドルミナー+九十九針で、『夢見針・改』である。それは狙い過たず、あまりのことに棒立ちの雷鋼を直撃し、吹き飛ばす。
(伊達に四六時中召喚しているわけでじゃない。今回はうまくいったとはいえ、ゴブリンとか他の奴だったら無理だったな。他の仲魔とやろうと思ったら、あらかじめMAG力場の波長を合わせる訓練をしなければ駄目だなこれは……。)
その惨状を見ながら、冷静に考えを巡らす徹。雷鋼の心配などかけらもしていない。あれでどかなるようなやわな相手でないことを徹は嫌というほど知っているからである。無用な心配をするより、今後のことに考えを巡らす方が、より建設的で役に立つというものである。
(それにしても、通常の九十九針よりも威力が上がっていたし、これも魔力の共鳴現象の賜物かね?今回はぶっつけだったが、実戦で使う際は事前に試しておくことが必要だな。じゃないと、危なかしくて使えたものじゃないな)
「なんですか今の!どういうことか説明して下さい、主様!」
その思索を中断させたのは、徹の仲魔チェフェイの勢い込んだ声であった。
「ああ、そんなに急かさなくても
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