合体魔法
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いわけじゃないはずだ)
今回の課題は諦め、とりあえず現状を打破し、雷鋼を一応納得させることに目的をかえた徹は、その為の命令をチェフェイに送ったのだった。
「はい?何をお考えなのですか、主様!」
主からきた突然の命令、その余りの内容にチェフェイは思わず戸惑いの声を上げた。
「いきなりなんなのじゃ?坊がどうかしたのか?」
「いえ、雷鋼への攻撃とかなら喜んでだったんですけど、この命令の内容は……」
理解出来ないと言う言葉を出さずに、主である徹をみやるチェフェイ。正気を疑う気すらある。それだけ、チェフェイは主の命令に困惑していた。
それも無理も無いことである。徹がチェフェイに下した命令とは、自身へと『ドルミナー』をかけろというものだったからである。『ドルミナー』とは敵全体を睡眠状態におく魔法である。相手である雷鋼に対してならともかく、自身に対してかけろとは自殺行為としか思えない。それで眠ってしまえば、当然雷鋼に殺されるだろうし、よしんば抵抗に成功したとしてもそれはどうしようもない隙となるから、やはり殺されるだろう。そんなわけで、チェフェイには理解不能な命令であった。
実行を躊躇うチェフェイだが、徹からは必ず実行するようにという強い意思が伝わってくる。この命令に抗うのは、並大抵のことでは無理であることを悟ったチェフェイは、半ばやけになってそれを実行した。
「ああ、もう!どうなっても知りませんからね、ドルミナー!」
常の妖艶さはどこにいったのか、やけっぱちな叫びと共にその魔法は放たれたのだった。
突如行われた介入に、雷鋼は驚かなかった。雷鋼には、徹を相手にしてなお周囲の状況に注意を巡らす余裕があったからである。だから、チェフェイの突然の参戦は、彼にとって驚きでもなんでもない。というか、そもそも雷鋼はチェフェイの参戦を禁じていないのだ。雷鋼が徹に課したのは、『チェフェイを召喚制御しながら、ペルソナを召喚してみせること』であり、それ以上でもそれ以下でもない。すなわち、チェフェイを召喚制御した状態にして、ペルソナさえ召喚できるならば、チェフェイがなにをしてようが構わなかったのであるから。
チェフェイを傍観させたのは他ならぬ徹の判断であり、そこに雷鋼の意思はない。むしろ、彼はこれを悪手とすら思っていた。奇襲という形でいずれ介入させるにしても、雷鋼の不意をつくことは不可能だからだ。そんわけで、その介入は意外でも何でもなく、不意をつくものではなかったのである。
だから、突然の参戦に驚くこともなく、むしろ、雷鋼がようやくかという思いであったのは無理も無いことであった。初手としては悪くない手だと、評価すらしていた。流石の彼も、僅かとはいえ魔法による睡眠効果に抵抗するた
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