合体魔法
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、それが雷鋼の技である。基本が相手が武器持ちを想定した中国拳法であるがゆえに、その動きはどこまでも絶妙だ。武器持ちの天敵ともいえる彼が本気をだせば、徹などものの十秒で終わる。にも関わらず、それなりにやりあえているのは、雷鋼が拳打を封印し、偏に手加減している他ならない。それでも徹にとっては十分すぎる脅威であったが……。
捌くのが精一杯で反撃の糸口など全く見つけられない。起死回生を狙うのならば、ペルソナの高速召喚による不意をついての反撃だが、それを試みる度にチェフェイとのMAGのラインが揺らいで、実行には至らない。それどころか、余計な隙となって、雷鋼の逆撃を呼ぶことになるという悪循環になってしまっているのが現状である。
「ちっ、またかよ!」
度重なる失敗に毒づく徹だが、雷鋼の攻撃は緩まるところをしらない。
「ぼやいている暇があるとは随分余裕よな。ほらほら、気を抜いとると死ぬぞ」
「そんなことわかってるよ、糞爺が!」
己へのやるせなさと雷鋼への怒りで大ぶりになりかけるが、努めて斬撃を小さくコンパクトにまとめて捌く徹。雷鋼の挑発にのれば、即座に死なのだ。それはこの4年間の鍛錬で嫌というほど骨身に染みている。
(とはいえ、どうする?このままじゃジリ貧だ。一か八かを狙っても失敗するのが目に見えてる)
実際問題、ジリ貧なのは徹自身も認めざるをえない事実であった。このままなら、遠からず体力がつきて斬殺されることは間違いない。正式な弟子となった今では、ノルマをこなせなくとも見捨てられることはないが、全く手も足もでないというのは癪である。それに多少なりとも、何らかの成果を出したいというのが人情である。
(制御力なんて、土壇場で上がるようなもんじゃないし、こんな事ならCOMPでの召喚制御との差異とか調べとくべきだった……って、それだ!それで制御の感を掴もう。まあ、現状では何の役にも立たないが……。さて、どうしたものかね)
制御を鍛える方法は思いついたが、現状を打破する方法には繋がらない。さて、どうしたのものかと頭を悩ませる徹。
(もうこの際、何かやってみたかったことをやってみるというのはどうだ?それも師匠を納得させるだけのものを。うーむ、なにがあったか?ペルソナ合体、ミックスレイドって、どっちも『ワイルド』限定だし、できるわけない。悪魔合体にペルソナ変異とかもこの場じゃ不可能だろうし……いや待てよ、合体と変異?そうだ、合体魔法だ!イゴールも言ってたし、できないわけじゃないはずだ。
しかし、あれはペルソナの共鳴現象を利用したものらしいし、仲魔とはいえ悪魔とでできるのか?いやいや、なんでもやってみるものだ。できないと決めつけたら、できるものもできない。直接契約しているチェフェイなら、可能性がな
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