1・始まり
一章・疑念
Departure
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「銀髪に……赤い鎧……」
和人が名取の言葉を復唱する。
「それって……」
名取が告げた特徴は、かつてアインクラッド最強と謳われたヒースクリフそのものだった。
「じゃあ、団長は……」
「いや。恐らく生きていない」
「どういうことだ?」
「茅場は自分の脳に大出力のスキャニングを行った。そのことはカズも知ってるだろ?」
和人は頷く。
「そのデータがZCOに何らかの理由で入ってきたのかもしれない」
名取は神妙な顔つきで話す。
「その真相をログインして確かめろ、と言うわけか」
和人の問いに、名取は頷く。
「ああ。報酬は……」
「ゲーム内で美味いメシを提供する店を教えてくれよ」
和人は少し、明るく言った。
「ああ、頼んだぞ」
和人たちは名取と別れ、それぞれの家路につく。
「お兄ちゃん、あの話って本当なのかな」
「俺にもわからない。だけど、あいつが絡んでるかもしれないなら、行かないわけにはいかない」
和人は直葉の方を向く。
「少し無茶なお願いとかするかもだけど、手伝ってくれるか?」
「当たり前じゃん」
直葉は満面の笑みで和人に答える。
「ありがとな、スグ」
「いえいえ」
「とりあえず、帰ったらログインしてみるか」
「そうだね」
和人と直葉は家に着くと、それぞれの部屋に入り、アミュスフィアの電源を入れた。
『ZCOにログイン後、始まりの街に集合』
和人は携帯でALOの仲間に連絡した。
彼らなら、新作のZCOを購入しているだろうという推測の元だ。
『了解!』
その推測は正しかったようで、全員からこのような旨の返信がきた。
「お兄ちゃん!私もうログインするよー!」
「わかったよ!」
直葉にそう返事して、和人はアミュスフィアを装着した。
「よし、行くか」
そして、深呼吸を一つして、和人はゲームの世界に旅立った。
「リンクスタート!」
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