SAO編−白百合の刃−
SAO21-黒髪の少女
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った。ドウセツがまだ何かを抱いていることに驚くも、私は簡単にドウセツの言葉を要求していた。
「ドウセツが言いたい時に言えばいいから、私は待っているよ」
「キリカ……」
あっさり即答したことは触れず、ドウセツはベッドに顔を埋め込んだ。
「あり……がとう……」
ドウセツは消えそうな声で口にした。
はい、ちゃっかり聞き取りました。
すっかりしおらしくなっちゃった可愛らしいドウセツを寄せつけて抱きしめた。
「や、やめなさいよ」
「えーいいじゃん。あれ、恥ずかしいの?」
「あ、当たり前でしょ!」
「そっか……そうだよね」
自然と笑ってしまうと、視界に映っていたのはドウセツは嫌そうだったけど唇が若干吊り上がっていた。
●
前線を引いて休暇をとることにした私達は、第二十二層にあるログハウスで休暇を過ごすことにした。二十二層と同じく、民家が少なく自然が多い『フリーダムズ』で過ごしてもいいのだが、前線から引くってなるとそれとりも下層で過ごしたほうがリフレッシュするかと思ったという、安易な理由である。
ドウセツが逃げるためのログハウスにはベッドしかない。しばらくログハウスで暮らすのに、ベッド一つだけでは寂し過ぎるので、家具類など必要な物を揃えるために買い出しに出掛けることにした。
「今日もいい天気だな〜!」
精一杯背伸びして、思ったことを一度留まらせることなく口に出した。
「ごろごろしたい!」
「家具を買い揃えようと言ったのはどこの誰かさんでしたっけ?」
「あー……うん、誰だろうねー」
惚けた私に救いの手を差し伸べてきたかのように、一通のメールが受信された。
「あ、メールだー」
「露骨」
結構突き刺さる一言を聞かなかったことにして、受信されたメールを読み始める。
えっと…………。
えー……。
「……どうしたの?」
「…………兄からのメール。重大な報告があるからエギルの店まで来いってさ」
これからドウセツと大事な時間を過ごす準備をしようとしていたのに、なんと間の悪いことだ。重大なこと? そんなのメールで伝えればいいじゃないか。アホ! 兄のアホ! ついでにドアホ!
さらにその数秒後、ドウセツはアスナからメールが送られ内容は兄と同じだった。
「たく……今さら何を報告するのだよ……」
この数秒間で私は兄から、ドウセツはアスナからまったく同じ内容のメールが送られた。それを察するに、重大な報告の中身がなんとなく見えてきた。昨日のクラディール
とストロングスの件から考えると、ほぼ確定だろう。
兄もアスナも本人に直接伝えたい気持ちはわからないわけがない。私もそうする、が……。個人的に言ってしまえば、中身が見えている報告と、前
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