第1話 リィン・クラウゼル
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……はッ?私ったら何を!子供じゃないんだから今のは無しよ無し!!……ってあら?
「…ルトガー、その手に持っているものは何?」
私はルトガーが抱えているものを指さした、さっきまであんなもの持っていなかったはずだけど……
「あ〜……これかぁ」
「なんや団長、言いにくそうにして?」
「まあその、何だ、驚くなよ?」
言いにくそうに頬をかくルトガーにゼノが疑問を言う、だがルトガーは説明するより見たほうが早いといった感じでそれを見せた。
「えっ、これって!?」
「はぁっ!?」
「なんと……!」
私達が見たもの、それはルトガーの腕の中ですやすやと眠る子供の姿だった。え、そんなまさかこの子、ルトガーの……うふ、うふふふふふふ。
「だ、団長!いつの間に隠し子を作っとたんや!」
「なっ!ゼノ誤解だ!この子は……」
「女癖が悪いとは思っていたが、まさか子供を作ってしまう程とはな……」
「レオ、マリアナの前で変な事を言うんじゃねえよ!」
「ねえルトガー……」
「……マ、マリアナ?」
「どういう事か、説明してくれる?」
私がニコッと微笑むと、ルトガーやゼノ達が顔を真っ蒼にして怯えていた、あらあら、何をそんなに怯えているのかしらね?
side:ルトガー
「さあルトガー、教えてちょうだい、この子はどういう事かしら」
俺はこの子の事を話すために、西風の旅団に所属している団員達を隠れ家の広い場所に集めたんだがマリアナが滅茶苦茶怒っていやがる。集まってきた団員達はマリアナを見て萎縮し正座する俺を見て「またか……」というような表情を浮かべている、俺が何をしたっていうんだ。
「不味いで、姐さんガチギレやんか」
「あそこまで怒っている姐御は見たことが無い、まるで初めて戦場に出たかのような恐怖だ」
西風の旅団が誇る分隊長すら恐怖するほどマリアナは怒っているようだ。
「ゼノ、レオ、助けてくれ……」
「すまん団長、俺はまだ死にとうないんや」
「日ごろの行いと思って諦めてくれ」
俺は二人に助けを求めるが二人はやんわりと拒否された、この白状者どもめッ!!
「ルトガー、今は私と話してるのよね。まさか後ろめたいことでもあるの?まあそうよね、ここに所属している女性団員の殆どが貴方に夢中ですものね。それ以外にも手を出している女性は多いし心当たりなんていくらでもあるはずだわ」
「マ、マリアナ誤解だ!その子は森で拾った子なんだ!」
「えっ……?」
俺は自分がこの子供を拾った流れをマリアナに話した。正直今までしてきた交渉の中で一番あせったぜ。
「え、じゃあこの子は貴方の隠し子じゃないの?」
「あ
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