第1話 リィン・クラウゼル
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少し落ち着け」
私に声をかけたのは二人の男性、サングラスをかけた細目の男性とドレッドヘアーの体格に恵まれた色黒の大男、彼らは私が所属する西風の旅団の仲間よ。
サングラスの男性はゼノ、ブレードライフルを得物としており罠を仕掛ける事を得意としていて彼の罠は猟兵の中でもトップクラスであり《罠使い》の異名を持っているの。
そして色黒の男性はレオニダス、団員からはレオと呼ばれその体格通り豪快な戦い方をする、得物であるマシンガントレットであらゆる物を破壊する姿から《破壊獣》の異名を持っているわ。
彼ら二人は西風の旅団の分隊長を勤めている優れた猟兵よ。
「それはそうだけど、やっぱり心配なものは心配なのよ」
「ホンマ姐さんは団長の事が好……」
「何かいった?」
「……何でもないです」
私がガチャリと狙撃銃を突きつけるとゼノは冷や汗を流しながら謝る。もう、ゼノはいつも私をからかってくるんだから。
「むッ、どうやら団長が帰ってきたらしい」
レオが指を指した方角からルトガーの足音が聞こえてきた、どうやら無事に戻ってきたようね。ならしっかりとお説教をさせてもらうわよ。
「おお、悪かったな、遅くなっちまった」
「ルトガー、貴方また勝手にいなくなるなんて何やってたのよ!」
「何だよマリアナ、俺はちゃんとお前に先に行けって言っただろう?」
「要点も言わずに行ったことに怒ってるのよ!」
いつも通り飄々とした態度で私のお説教をかわそうとする、でも今回こそちゃんと言ってやるんだから!
「ちゃんと聞いてるの!?いつも心配ばかりかけて……」
「そうだな、いつも心配かけてごめんな、俺はいつもお前に甘えてばかりだ」
「あっ……まあ分かればいいけど…」
ルトガーが申し訳ないって表情を浮かべて私の頭を撫でてくる。ズルいわ、こんな事されたら怒れないじゃない……
「団長も姐さんもホンマようやるわ」
「お決まりの光景だな」
ゼノとレオが呆れたようにそう話していた、私がキッと睨むと二人は顔を背ける。
「団長、また姐さんほったらかして何処行ってたんや?」
「もう諦めているがせめて姐御には行き先くらい言っておいてほしい」
「ゼノ、レオ、悪かったな。次は気を付けるからよ」
ルトガーはすまないと謝るが私達は「またやるな」と思っていた。
「所でゼノ、団員達は全員戻ったか?」
「ああ全員戻っとるよ、依頼の報酬も俺が受け取っといたで。本来ならこれは団長の役目なんやからな?」
「そりゃ悪いことしたな、今度高い酒奢るよ」
「お、流石団長。気前がええやん」
嬉しそうにするゼノ、私にも何かご褒美はくれないのかしら
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