第1話 リィン・クラウゼル
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銃弾が兵の眉間を打ち抜いた、頭を打ちぬかれた兵は信じられないといった表情を浮かべ絶命した。
「ルトガー、余り一人で突っ込まないでよ!」
「マリアナ、サンクス!」
マリアナの放つ銃弾が的確に敵を打ち抜いていく。本来彼女の持つ狙撃銃は遠く離れた場所から標的を撃つ兵器だ、そのためこのように走りながら撃つような使い方は出来ない。だが彼女はそんな事はお構いなしといったように巧みに銃を操る。
標準を合わせる、撃つ、弾の補充、それらの動作を一瞬でこなし俺の死角をカバーしている。勿論相手もバカじゃないのでマリアナに接近しようとするが今度は俺がそれをカバーする。
「な、何て奴らだ。これが西風の旅団……!」
彼らが守っていた拠点には少なくとも50人の兵がいた、だがたった二人の猟兵にここまでやられるとは思わなかっただろう。
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――――――
―――
「制圧完了だな」
その後俺達は数分で敵拠点を制圧しターゲットを抹殺した。他の団員達も制圧が終わったらしい、この紛争は西風の旅団側の勝利で幕を閉じた。
「お疲れ様、今回は私達の勝利ね」
「ああ、それに全員無事だったようだ、一安心したよ」
「ふふっ、貴方って本当に心配性ね」
「当たり前だ、全員俺の大切な家族だからな」
「そうね……なら早く大事な家族の元に戻りましょ、皆も合流地点に向かってるはずよ」
「そうだな…………ん?」
俺はふと離れた場所にある森を見た。
「ルトガー、どうかしたの?」
「……悪いマリアナ、先に行っててくれ」
「あっ、ルトガー!」
背後からマリアナの怒る声が聞こえるが俺はマリアナに先に拠点に行くように言って森に向かった。
「確かこの辺から聞こえたが……どこだ?」
一瞬だが何か鳴き声のようなものがこっちから聞こえたような気がしたんだが…気のせいか?
「……ん、あれは…………」
森の奥にある開けた空間……他の木々よりも一際大きな木がありその根元に何かがあった。俺は辺りを警戒しながら木に近づく、そこにいたのは…………
「こりゃ……人間の子供じゃねえか……!?」
俺が見つけたもの、それは木の根元に隠すように置かれた布……それの包まれていたのは三歳くらい男の子だった。
side:マリアナ
依頼を終えた私達はあらかじめ指定された場所に集まっていた。それにしてもルトガーには本当に困ってしまうわね、勝手な行動は慎んでっていつも言ってるのに……心配するこっちの身にもなってほしいわ。
「姐さん、団長がフラッといなくなるなんていつもの事やないか」
「姐御……
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