第15話 魑魅魍魎の主、鬼と語る
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持ちながら俺を襲って来たんだよ」
「そうなんですか!?」
「ああ、最初の10人は蹴散らしたが、やっぱり多勢に無勢でな。流石の俺も一巻の終わりだと思ったところで鯉伴の奴に助太刀されてな。いつの間にか互いの背中を預ける形になって残り40人の門下生共を蹴散らしたんだが……」
さっきまで自慢げに話していた土方だったが何か言いずらいのか言葉を濁し、頬をかき始めた。そんな態度に千鶴やリクオ。上条たちは首をかしげ、逆に青田坊や鴉天狗がため息を漏らした。そんな土方の態度の理由を青田坊が話した
「夜になっても中々屋敷に帰ってこない二代目を探しに俺と黒が探しに行ったら町中で騒ぎがあったんだよ。耳を澄まして聞いてみたら『江戸の鯉さんとバラガキの土方がケンカしてる』って話が江戸中で盛り上がっててな。急いでその場所に行ってみたら、二代目と土方のヤローが殴り合いをしてたんだよ」
「「「「「ええええっ!?」」」」」
「アン時は俺も黒も驚いてな。直ぐに二代目と土方を抑えようとしたが、二代目から『余計な手出しするな』って言われてな。しばらくその様子をみてな…2人とも殴り合ったせいでボロボロだが、なんか清々しい顔をしてな。ケンカが終わったら終わったであの時の2人は見てるコッチが笑っちまう位仲良くなってな」
昔が懐かしいのか青田坊から哀愁の雰囲気が漂っていた。それは土方も同じく鯉伴との出会いが懐かしいのか
「その後土方と二代目はそのまま一緒に酒屋で朝まで呑みまくってたな。一緒にいた俺や黒も同席してな。二代目はともかく、土方は酒が弱え―のなんの」
「おい青!それは言わなくていいだろ!」
青田坊の証言で土方が酒に弱いという意外な弱点に上条たち学園都市の面々は笑いあった。そこで土方はケンカ仲間であり、酒飲み仲間である鯉伴ともう一度会うためにリクオに尋ねた
「所で、リクオって言ったな。お前が三代目ってことは鯉伴の奴は隠居したのか?俺も久しぶりにアイツと酒を酌み交わしたいんだが」
土方の質問に奴良組の面々の表情は少し暗くなった。それに察した土方は
「おい、まさか鯉伴の奴…」
「亡くなりました。10年前に…」
「な!?」
土方にとっては信じられない言葉だった。奴良鯉伴はケンカにも剣術もかなりの腕前を持つ男だった。決してそこらの不逞浪士やゴロツキに後れは取らない腕を持つ男。なのに何故……?
「鯉伴の奴が死んだって、病か!?事故か!?」
土方の質問に答えたのはリクオだった
「殺されたんだよ。10年前、俺の目の前で親父はある女に殺された」
「何!?」
「まぁ、親父の仇とその黒幕との決着はついたから今は何とか振り切ってるんだけどな」
リクオは何でもない様に言うがカナにはそれが強がりの様
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