第百六話
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わえられた攻撃は、その瞬間に立夏が彼の足もとに出した火と、即席で作ったのであろう野良ネコの使い魔によって邪魔され、その隙に距離をとります。
「・・・ありがとう、立夏。今のはちょっとまずかった」
「大丈夫。でも・・・相手がカンピオーネなら、私にできることは少ないかも・・・」
「気にしないで。今みたいにできる時にしてくれればいいから」
とはいったものの、どうしましょうか・・・よくよく見れば、あの剣もかなり危険そうですし。おそらく、魔剣の類でしょう。
「・・・あー。そうかそうか。そういや、神代家は全員が化け物クラスなんだっけか。・・・おもしれえじゃねえか」
そして、それを持つ彼はとても歪んだ笑みを浮かべてこちらを見ています。髪の色も気がつけば赤から緑に変わっていますし。手に集まっているのは・・・腐敗の力?酸化、と言うのが一番近いかもしれませんね。
「さーて、と・・・仕方ねえな。これ使うか」
そう言いながら、何のためらいもなく魔剣を持ちあげる。さすがはカンピオーネ。リスクを一切恐れていません。
「クククッ・・・さあ、魔剣よ。オレの願いを」
「穿て、ブリューナク!」
どう受けるかを本気で悩んでいたら・・・何とも頼もしい声と一緒に、見覚えのある槍が雷光を纏って飛んできました。
彼の背後から飛んできたそれに当たるかと思いましたが、彼はその場から消えて・・・いえ、ものすごく速いスピードで避け、武双と対峙する形で向かい合いました。
「へぇ・・・その剣は権能だろうし、今のは神速か?複数個権能を所持してる、ってことでいいのかな?新参にしては多そうだ」
そう言いながら武双はブリューナクを回収し、逆の手にゲイ・ボルグを持ってからこちらに何かを蹴飛ばしてきました。
それを受け止めてみると・・・
「聖槍・・・分かりました。いいですよ、武双」
つまり、私自身と立夏は私が守ればいいのでしょう。確かに、相手がどこまでできるのか分からない以上は手の数から考えても武双が対応したほうがいいです。
「へぇ・・・しくったな。予定ではあんたが来る前にもう一個権能が増えてる予定だったんだけど」
「つまり、アテを殺すつもりだった、ってことだよな。・・・死ぬ覚悟はできてるんだろうな」
次の瞬間には、武双の周りを雷と水が漂い、二振りの槍にも呪力が込められていきます。
明らかに、本気で戦う気でしょう。
「ハッ、あんたと戦っても死なないために権能を増やしたかったんだよ。・・・今日は月齢も悪い。この場はひかせてもらう。・・・次は、アンタと直接手合わせをさせてもらうぜ」
そう言った次の瞬間には、彼は神速を再び解放してどこかへ逃げて行きました。
武双は神速の権能だけは持って
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