『造られし神殺し』編
第百五話
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中々そうだと気付けないことなんだよな。
・・・まあ、なんとかなるか。最悪先手を取られたとしても力押しで。
「そう言えば、話は変わりますけど・・・」
と、そこで梅先輩は少しもじもじとして・・・数秒の間を置いてから、顔をあげてこっちをまっすぐ見る。
「クリスマス・・・は、例年通りですよね?」
「はい、家族と過ごす予定ですね」
大体のイベントは家族で過ごすのが基本なので、自然とそうなる。今年もい部からずっとであろう。
「では・・・二十三日は空いていますか?」
「二十三日ですか?そうですね・・・はい、空いていますよ」
「では、ちょっと買い物に付き合ってもらえませんか?」
買い物、か・・・
「いいですけど、何を買うんですか?」
「いくつか生徒会の備品を買い足しておきたいんですもうガタがきている物も多いですし、武双君に直してもらえないものもありますから」
金属のみでできている物やハサミやカッターと言った刃物は俺が即席工場で直したり補充したりするし、そうでなくても唯一の男でなので色々と直してはいるのだが、それでも限界はある。
聞けば、既に費用を学校から受け取っているのだとか。まあ、そういうことなら・・・
「・・・まあ、口実なんですけど」
「ですよねー・・・」
と、返事をしようとしたところで悪戯っ子の様な笑みを浮かべてそう言ってきた。ヤバい、すっごく可愛い・・・
「えっと、そう言う事なのですが・・・ダメ、ですか?」
そして、表情は一転。頬を赤らめながら身長の関係で上目づかいでこちらを見てくる梅先輩。これは・・・
「全然ダメじゃないですよ。予定もないですし、梅先輩と一緒ということなら喜んでご一緒します」
そう返事をすると、梅先輩は花が咲いたように一気に笑顔を見せてくれて、さっそく当日の予定についての話が始まった。
それにしても・・・あの表情は、ズルイ。ものすごくドキッとした。
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