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少年と女神の物語
『造られし神殺し』編
第百五話
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のを一体どうするのですか?」
「いえ、ちょっと気になることがありまして・・・ウッコと戦う前にも赤銅黒十字の知り合いに水神が出たって言われて言ってみたんですけど、その時には消えていたので・・・もしかしたらって思ったんですよね・・・」

 そう返事をしながら知に富む偉大なる者(ルアド・ロエサ)を使ってカンピオーネの側近の頭の中を除き、今いるカンピオーネによって殺された者に斜線を引いていく。ヴォバンとアイーシャだけは一切分からないんだけど、まあ仕方ない。それにしても・・・

「結構いますね、不明な神」
「まあ、普通は分からないものですから。偶然霊視が降りるか、それこそ武双君のようなカンピオーネの方々が戦いでもしない限り分かりませんよ」
「まあ、見た目の特徴から分かる場合もありますし、自分で名乗っちゃうやつもいるんですけどね」

 名乗れないやつも、まあいるんだけど。真神とかしゃべれないだろうし。
 他にも、シヴァの様に顕現した理由からその神の正体が分かるやつだっているし、無三殿大神の様に一つの礼として名乗るやつもいる。ウィツィロポチトリはあれを呼び出すために行われていた儀式からその正体を知ることができたし。
 かと思えば、ウッコの様に別の名を名乗るやつもいるし、オオナマズの様に名前からは予想もつかない姿でいることもある。ヒルコに至ってはその歴史が深すぎて霊視した情報からは全く予想がつかなかっただろう。ナーシャが内側から直接見たから分かったようなものだ。
 まつろわぬ神と言うのがそんなものだからこそ、このリストの中に『正体不明』と言う文字が多く見られるのだろう。

「とはいえ、さすがにこれだけじゃ新しいカンピオーネが誕生したかどうかなんてわからないか・・・」
「・・・そんなことを疑っていたのですか?」
「はい」

 はっきりと返事をしながら、一応リストをかばんの中にしまっておく。カグツチやアンリ=マンユ、アグニと言ったビッグネームもいるみたいだし、何かの役には立つかもしれない。

「・・・確かに、新たなカンピオーネがいるのだとしたら、最近になって増えてきた原因不明のことも納得できますが、いくらなんでも突拍子なさすぎます」
「だからこそ、念のためなんですよ。そんな奴がいた時に対処するための物です」
「・・・つまり、武双君はそんな人がいると思うのですか?」
「直感的には、いるかもなぁ・・・って感じです」
「なるほど、了解しました」

 そう言いながら梅先輩は携帯電話を取り出し、どこかへメールを送った。おそらく正史編纂委員会関連だろう。俺たちカンピオーネの勘はバカにならないから、本当にそうなる可能性もあるし・・・何より、その勘が働くのは戦いが絡んだ場合のみ。そりゃ、警戒もするだろう。問題は相手がカンピオーネだった場合、
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