第切話
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く立ちあがり、建物の中に入っていく。
それどころか、そこの階段を勢いよく登り始めた。
慌ててその後を追うと、建物の屋上に・・・展望台に、ついた。
切歌を探すと、柵に向かって走っていき・・・
「ここには、この景色を見に来たデス!」
くるり、と。手を広げて回り、満面の笑みを見せてくれている。
その後ろには、確かに綺麗な景色が広がっている。今目の前に広がっているのは夕焼けで赤く染まって見える景色。これが夜になると、また違った景色が見られるのだろう。
ついでに、わざわざ登ってきた、というのもいい効果をを出してくれている。
「へぇ・・・確かに、いい景色だな」
「あたしの予想してたよりも凄い景色デス!」
「・・・来たことがあるから誘ったんじゃないのか?」
「無いデスよ?調べたら出てきて、見てみたいと思ったデス」
「・・・ここに来るまでの間に迷ったらどうするつもりだったんだよ・・・」
この妹には、色々と驚かされる。行動が自由すぎると思うんだよな・・・
そうして呆れていたら、「ムソウ」と切歌に呼ばれたので、そちらを向く。
「どうした?」
「いえ・・・このタイミングで言うのもおかしいかもしれないデスけど、あの時、あたしと調をたすけてくれて、ありがとうデス」
「?・・・ああ、ザババの時のことか」
あの神とは意思疎通が出来なかったから理由は分からないが、俺がザババを倒しに行ったとき、切歌と調の二人はザババにつかまっていたのだ。で、俺がザババを殺してそのまま連れて帰った。
「にしても、あの時はあそこまで警戒してた切歌が、一緒に出かけるまで気を許してくれるとはなぁ・・・」
「う・・・それは言わないでほしいデス。どうしても、カンピオーネのイメージがあったデスから・・・」
ついでに、同じ家には血のつながらない美人の女性ばかり。そんな中男一人となれば、まあ勘違いされても仕方なくはある。切歌の行動が早かったおかげで初日のうちに誤解は解けたんだけど。
「その認識自体は間違ってないから、そのままでいいぞ。どいつもこいつも自分勝手だし」
「分かってマスよ。身近にいい例がいるデスから」
何も言い返せない。事実、俺も自分勝手に動いてきた結果が今なわけだし。
「それでも、感謝してるのは事実デス。調と違ってムソウに色々迷惑をかけたあたしのことも受け入れてくれて」
「家族として迎える以上、歓迎するのが神代家だからな。切歌もそうなってくれれば、それでいい」
「もう充分に染まったデスよ、あたしも。・・・全部、あなたのおかげデス」
切歌はそう言うと、つま先立ちになって俺の唇に自分のそれを重ねる・・・キス、してきた。
「大好きですよ、ムソウ!」
「な、お前・・・」
「あ、返事
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