第切話
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人ごっこ、デス・・・」
・・・なんか、こっちも恥ずかしくなってきた。そうきたかぁ・・・
氷柱は、デートではあったものの兄妹という意識がどこかにあった。しかし、恋人と言われてもなあ・・・
いた試しがないから、どうしたらいいのか分からない。とは言え、ここまで恥ずかしがりうつむいてしまった切歌を前になにもしないというのは、兄としてどうなのか・・・という結論に辿り着き、
「・・・・・・・・・」
「・・・あっ・・・」
とりあえず、切歌の手を、握った。指を一本ずつ絡ませる、いわゆる恋人繋ぎというやつで。
その瞬間に切歌が驚きの声をあげ、まだ赤い頬が残るままの顔をこっちに向けてくる。恥ずかしいので俺は顔をそらし、赤くなっているであろう頬をポリポリと掻きながら、
「あー、その、なんだ。恋人がいたことがないからどんな感じか俺にはよくわからん。だからかなり変になるかもしれないが、それでもよければ・・・こんな感じでいいなら、いいぞ?」
氷柱にも同じことをしたのに、どういう立場としてやるのか、というのを意識するだけでこうも変わるものなのか・・・
「はい・・・はいデス!」
まあ、むちゃくちゃ恥ずかしいんだけど、切歌がこれだけ笑ってくれるなら、いいか。そう考え、俺たちは山道を歩き出した。
◇◆◇◆◇
「・・・なあ、切歌。もしかして、道なき道を歩いてたりするんじゃないか?」
「今更デスか?お昼が山菜を摘んで、だった時点で気付いてほしかったデス」
「なるほど、これは意図的にこうしたんだな・・・」
今になってようやく、切歌の意図が分かった。一日、完全に自然の中で過ごすつもりなのだ。また何というか、突拍子もないことを思いつくというか・・・
「ちなみに、ノープランなのはそれが理由デス」
「何が起こるのか、何があるのかも分からないしな。計画なんて立てれるはずがない」
事実、これまでにも普通に山を登っていたのだったらかなり危ない場面は何度かあった。それに、こう言うところに来るなら何も決めずに来た方が楽しめる気がするし。
「ちなみに、今日の夜までに山頂に行くのが目標デス」
「また一日で結構高めに設定してきたな・・・この山なら、いけそうだけど」
そこまで高い山ではないので、行けるとは思うけど・・・そこまで、山頂に行きたいんだろうか?というか、山頂に何か建造物があるのが見えるんだけど・・・
「ほらほら、いくデスよムソウ!目指すはあの建物デス!」
「って、あれが目的地なのか」
それならまあ、山頂に行くのもありかな。
というか、実は完全にノープランじゃないじゃないか。最終目的しかないみたいだけど。
「あそこ、何があるんだ?」
「まだ秘密デスよ!さあ
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