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猫の憂鬱
第3章
―8―
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何思う、人権侵害甚だしいわ。」
「ほんますんません、なんぼでも謝りますよって、ほんま御免なさい。ど淫乱言うて御免なさい。最初に強姦したんは僕です、ほんま御免なさい。貴方可愛かったんです、どストライクやったんです、ほんま御免なさい。後、バイク無くてほんま困ってるんです。」
「ジャガーがあるだろう、ジャガーが。」
おっと其のジャガーもナンバープレート無しの状態で見たな、何日前だったかな、御前が俺をど淫乱と罵った日かな、と課長はストローを咥える。
「本当に済みませんでした…」
空になったカップを宗一に渡し、本郷が迷惑掛けたな、其れで許してくれ、と秀一達に謝罪した。
「菅原先生。」
「はい…」
「下迄、送って頂けるだろうか。」
本庁はややこしい、とエレベーターのボタンを押した。
送って来る、と宗一はやる気無く答え、一緒にエレベーターに乗り込んだ。
エレベーターは無言を運んだ。溜息は、一階に着いても吐き出さなかった。
「…動かないな、エレベーター。」
回数表示の明かりが、一階の儘消えない。
オレンジジュースを飲み乍ら時一は呟き、にやにや笑う秀一が時計を見た。
「ほう、三分動かんな。」
「ううん、後何分、停まってるのかな…?」
「三十分じゃないか?」
だって、飲むんだろう?元、キャラメルラテを…。
秀一は喉奥で笑い、セグウェイを動かした。
「おぉまえぇが、なぁがすぅっ、なぁみだぁもぉ、見詰ぅめてぇるぅ。…良い歌じゃないか、真昼の月。」
「課長さんが聖飢魔IIで一番好きな曲だよね?」
「私は泣いた事が無いぃ。」
「駄目じゃん、其れ。」
「私、泣いったぁり、するのぉは、ちっがうっと、おっもおってったぁあああ!ほぉうおおお!…井上陽水って良いな。」
「敢えて作った方ね。」
ガゴン。
頬と目元を桃色に染める宗一が、口元を押さえエレベーターから出て来た。其れを見た時一と秀一は、眉を上げた。
「美味しかったです、キャラメルラテ…、はぁ…」
「きゃーーーーらめる、さんせっ!」
「うっうー、うまうま!」
ノリノリな二人に一寸如何なってんのよ、と八雲は思わず目隠しを外した。
悍ましい、なんだ此の二人は、変態か、と見てはいけない物を見た八雲は又目隠しをした。踊り狂う馬鹿二人を其の儘に、宗一は空っぽのキャラメルラテのカップを机に置いた。
長谷川博士、今日も絶好調である。
尚、時一も、秀一に負けぬ、音痴である。
誤解されぬよう云っておこう、決してそんなスカトロプレイをした訳では無い。元キャラメルラテの液体を飲んだ訳では無く、きちんとしたキャラメルラテを飲んだ。…木島の飲み掛けだったが。
「木島、チョコで良いのか?」
「良いよー。」
脚長おじさん、今日の懐具合も絶好調である。
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