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猫の憂鬱
第3章
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えっと…」
「右。ええと、だから…左側だ。」
「ええよぉ。ひぃひぃひぃ。」
「ひぃひぃひぃ。まー。」
「嗚呼、可愛いな、御前。」
頭の左側に乗った手に八雲は喉を鳴らし、犬も良いが猫も良いな、生き物は大きいのが良い、と課長は破顔する。
「連れて帰りたい。ひぃひぃひぃ。」
「あかん。ひぃひぃひぃ。」
「ひぃひぃひぃ。」
「何をしよんの、真昼間から。ど変態共が。」
本郷さんの次は御前か、とラボから出て来た宗一は課長の背中を蹴り、袋を受け取った。
「木島と交換しよう。今なら加納も付けてやる。IQ145、如何だ、悪い話じゃないだろう。」
「やー。斎藤はやらん。お、タピオカドリンクやんけ!」
「其れ、御前のじゃない。」
「はあ!?俺のやないなら、誰のや!」
「俺のだよ。」
云って課長はぶっといストローを無慈悲に刺すとジューと飲み、八雲の顎を持ち、ほら、口、と一口やった。
「何此れ、むっちゃむっちゃしとるの!餅?」
「タピオカ。」
「おあー、此れタピオカかぁ。見えんとほんま判らんな。」
八雲の言葉に課長は眉を上げ、うぃーーーんと寄って来た秀一に白桃紅茶を渡した。
「俺、桃、好きぃ!えんだぁあ!いやぁあ!うぅうおぃやぁああふ…」
「喧しいわ、セグウェイ。時一はオレンジジュースだろう?」
「わー、覚えててくれたんですか。」
「勿論。よしよし。」
「タピオカもちもちぃ。」
「橘ぁ。」
「はぁい。」
「御前は…、一寸待て、取れん。お、はい。宇治抹茶。」
「おーいえ!おーいえ!宇治抹茶おーいえ!」
「橘は可愛いから、フローズン状だ。餡子も入ってるから、カキ氷飲んでるみたいで美味しいぞ。」
「大きに、大きに、課長はん!俺、先生ぇ捨てて、一課行きますわ!」
「斎藤は、んー?チョコだろう?ううん、此のかわい子ちゃんが。早く宗一なんか捨てて、俺の所に来い。」
「ああん!わい、課長になら掘られてええ!掘って下さい!わいの処女あげますよぉ!」
科捜研メンバーの餌付けに成功した課長は満足気に頷き、中身が無くなった紙袋を畳むと無言で宗一に渡した。
「ちょぉ待て、おいこら、クソ三つ編み。わしンは何処や。わしのタピオカドリンク何処や、出さんかい、こら。しばくぞ、三つ編み。」
「んー、此処。」
と腹を指した。
「大丈夫だ、俺、代謝が良い。後三十分待ってたら出る。若干、味は違うが。まあ、飲めん事も無い。」
「ソッチの趣味持ってないわな。」
「嗚呼本当。残念だな。」
ジューとストローで、宗一の好物のキャラメルラテを吸い込んだ。
嗚呼、ホイップクリームが、沈む。なんと勿体無い飲み方。今直ぐ其れをカップの中でぐちゃぐちゃに掻き回して、タピオカと一緒に飲みたい。
宗一の喉は干涸びる。
「俺はど淫乱で、此奴を強姦してるらしい。如
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