第3章
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が自力で行えず停止した時を云う。生命活動を終えた時、其れが“死”と位置付けられる。心臓、呼吸、脳、どれかが停まった時。一番判断が難しいのが、脳。前にも云ったけど、此処や、此処が大事。脳幹が全滅した状態を全脳死、脳幹が機能を失った状態を脳幹死って言うんやけど、脳幹死の場合は、大脳の機能は未だある状態で、でも、暫くすると活動が止まる、其処から、全脳死に変わる。よぅ耳にする植物状態っちゅうんは、大脳の機能の一部か全部を失って意識が無い状態を指すんよ。脳幹や小脳は機能が残ってるんよ。脳は、全ての生き物の機関の中で一番複雑、一から説明するってなると、時間掛かるよ。」
「…判りました。では何故、脳死状態の人間は“生物”扱いなんです?」
「心臓が動いとるからや。」
「人工呼吸器ありますよね、其れって自力で生命活動をしていないから、死体じゃないですか?でも、生体扱いなんですよね?」
「ううん、本郷さん、医者困らせるなぁ。確かにそうや。電気止めたら死体と同じよ。死体に息させてんのよ。」
「死体に全く同じ事をしても、生体にはなりませんよね?」
「ああん、ええと…、脳に酸素が行ってないからや。人形同じ。」
「だから死体ですよね?」
「ああん、ええと…、だからぁ…」
菅原先生が困ってる、と時一以外のメンバーが、縦に頭を並べ覗いていた。
「本郷さん、どっかおかしん?」
一番上に頭を置く八雲が云った。
「哲学的なんじゃないですか?」
一番下の侑徒が、目を上に向ける。
「電気を流せ、電気を。死んだ蛙だって、電気板を頭とケツで繋いだら生き返る。げこー。」
真ん中の秀一。
「ほんまぁ?まぁたピョンピョン跳ねよんのか?内臓撒き散らし乍ら?」
「其れ、電気信号が見えてるだけじゃないですか?電気流された筋肉が動いてるだけでしょう?」
上下から云われ秀一は、動きゃ良いんだろう?、と顔を動かした。
「何故人が死ぬのか知りたいんです。」
「そんなん心臓にナイフさしたらええやん。」
「肉体は死にますよね?魂は何処に行くんです?」
「…そんなん…、知りませんよ、僕はぁ、其処等辺漂ってんと違いますぅ?」
「肉体は魂の器だって、思いますか?」
「何?宗教の勧誘なん?間に合ってますよ?」
「人は、肉体が死ねば死ぬんですよね?」
「…そ、そうやぁ?そうです!」
「じゃあ何故、霊は存在するんですか?其れは生きてますよね?死んでないじゃないですか!」
「そんなの知りません、帰ってくれや。警察呼ぶぞ。」
「私、警察です。」
「嗚呼そう、おめでとう。自分に手錠掛けて帰ってくれ。」
休憩所を追い出された龍太郎は、縦に並ぶ頭を眺め、秀一以外が目を逸らした。
「斎藤さん。」
「おお…、わいか…」
「如何思います。」
「いやぁ、僕ね、考古学者なんで、一寸
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