第3章
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当は羨ましい、僕早稲田じゃないです、と歯を鳴らし乍ら云った。
聞いた龍太郎達は同時にニヤッと笑い、やっぱり変人、云ってグータッチをした。
「科捜研、学歴高いからな。」
「嘘だ、秀一が早稲田…?」
唯の変人じゃないか、やっぱり変人じゃないか。
俺も変人なのか…?と木島の視線は泳いだ。
「橘と宗が京大、斎藤が大阪、シュウが早稲田。ずば抜けて凄いのが時一だな。」
何処?と聞くと、誰も聞いた事の無い大学だった。加納だけが、嗚呼其処ですか、と知っていた。
「御前達のような、国内の大学で上だ下だ変人だ云々云ってる低俗には関係の無い大学だな。」
「シャリテ。ヨーロッパで三本の指の一つに入る大学病院の名前で、ベルリン医科大学の総称でもあります。ベルリン大学の正式名称は、フンボルト大学ベルリン、ベルリン・フンボルト大学です。難易度がかなり高く、正直ワタクシでも入れるか如何かです。そうですか、菅原さんは其方ですか…、いや、本当に。言葉が無い。素晴らしい。」
「ほぉらな、ハーバードはなんでも知ってるんだ。」
会話のレベルが違う、そんな男が御前達の低俗な会話に入る訳無いだろう、と課長は笑う。
ベルリン大学ならベルリン大学と始めからそう云え、其れだったら知ってる、嫌味ったらしい男共め、と木島は唇を突き出し、龍太郎と井上は、時一先生ベルリン大学だって、マジか全然判らん、と顔を寄せ合った。
「タキガワの慶応が一気に霞んだ。」
「俺達って、余り学歴高くないのかもな。」
「所詮慶応。私立だぜ。」
「所詮明治だ。京大やハーバードの足元にも及ばない。国公立に行ける頭が欲しかった。」
「早稲田も寄せてくれ…」
「あっち行けよ、早稲田は。成金慶応とは話したくねぇんだろうが。」
「明治で済みません、早稲田を卒業された貴方様とは違うんですよ、馬鹿と話さない方が良いですよ。所詮早稲田様の受け皿ですから、明治は。早稲田様に馬鹿は来るなと門前払い受けたカスの溜まり場ですから。」
「其処迄云ってないだろう…」
「云ってはないが、思ってるんですね、知ってました。」
「酷いぜ早稲田。何様だ、早稲田様か?」
「申し訳無い、馬鹿は二度と話し掛けません。ラグビーも弱くて済みません。役不足でしょう?済みません早稲田様、頭もスポーツも弱くて。早稲田様は明治を虐める特権を持ってらっしゃるんですもんね。」
「明治虐めんなー、早稲田ーぁ。」
「国公立様、助けて下さい。慶応が又虐めます。」
「寄るな早稲田、御前は東大野郎に媚び売っときゃ良いんだよ、あっち行け。東大なんか大嫌いだ。」
タンブラーを傾ける加納は、何て低俗な、と思い乍ら静かに紅茶を飲んだ。
小野田は一人、そんな仲を笑顔で見詰めていた。
上智男子、又馬鹿やってる、飽きないね、と下らない話には乗らないのである。何時も笑
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