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猫の憂鬱
第3章
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系です。」
「女子に囲まれ過ごしました。」
「よしよし、御前達は良い男だ、間違いない。」
「有難う御座います!」
「貴方のような完璧な方に褒めて頂けるとは、希望が見えました!」
「課長は上智がお好きか。」
「良いぞ、上智は。上智の男大好きだ。頭も良くて、家柄も良くて、性格も良くて、品も良くて、常識人で……非の打ち所が無い。悪い所を見付ける方が難しい。中でも文系男は良いぞ。やっぱり男は文系だ、理系じゃない。上智文系男最強也!」
京大理系男じゃないんだ、と龍太郎は思ったが、情報屋井上の垂れ込みで納得した。
ハイライトを愛煙し、愛車は漆黒クラウン、純白のプリウスは嫁奪われた上智文系男が大好きなのである。
決して、決して、ハイライトを愛煙し、持ってる車は純白ジャガーで、愛車はバンティット、な京大医学部(元年収五千万オーバー)では無い。間違っても。
「課長、俺も文系だよ!」
「はあ?煩いよ、変人。」
「文系代表、明治です!」
「ほらな、木島見てみろ。御前と全然違う。明治はスマートだ、紳士だ。」
「如何しよう、慶応の良い所が見付からない…。なんか無いですか、課長!慶応男の良い所!」
「……親が金持ち…?後…、ええと。」
「アウト!終わった、なんもねぇ…」
「済まん、井上。俺、本当に慶応に良い思い出無いんだよ。時代が時代で、金持ってる坊々しか居なかったから。」
正にそうじゃないか、と龍太郎の笑顔に井上の心は折れた。
何故だ、何故皆慶応と云うと引き攣った顔で俺を見るんだ。慶応が何をした、早稲田よりずっとマシだ。未だ常識はある方だ。あんな変人集団に比べたら全然良いでは無いか。
何故か井上、出身大学を女達に教えると、嗚呼やっぱり…、と云う顔をされる。まともな女程だ。目を輝かすのは頭の悪そうな女ばかり、井上の趣味では無い。
「学歴詐称しようかな、明治って云おうかな。そしたら頭良い女寄って来るかも。」
「止めろ!御前は如何やったって明治の顔じゃない!御前には慶応がお似合いだ!」
「なんか済みません、慶応で。慶応で御免なさいね?なんかもう、辛い。」
「早稲田より良いぞ、井上。」
「課長、此の中に結構早稲田居るからね?」
余り敵に回さない方が良いよ、と木島は猫目を向けた。木島の脅迫に怯む方では無い、鼻で笑った課長は立ち上がり、紙コップ二つに珈琲を入れると、其の儘上智卒の刑事の机に無言で置いた。有難う御座いますぅ、上智出て良かった、と小野田達は感涙し、紙コップを握り締めた。
「木島。」
「早稲田を馬鹿にしないで!」
コツコツとゆっくり課長は近付き、御前本当に知らんのか、と大きな口を真横に引いた。
「何…?」
「秀一、彼奴も早稲田だぞ。知らんかったのか?」
瞬間木島は頭を抱え、龍太郎と井上に謝罪した。明治馬鹿にして御免、慶応本
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