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猫の憂鬱
第3章
―6―
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系男子だと?ブックワームの貴様に云われたくない。
睨み付ける龍太郎に、明治男子怖ぁい、と木島は一層挑発し、加納に止められて居た。
「煩いハーバード、触るな。誠の変人。異次元者。」
「何とでも。如何逆立ちしたって、木島さんには行けませんよ。悔しかったら、卒業なさい。」
「なんだ此奴、腹立つな!」
ふふん、と加納が笑った時課長が戻り、少し悪い空気に片眉を上げた。
「何の喧嘩だ。」
「課長、明治大学って良いですよね?」
「なんだ、藪から棒に。良い大学だと思うぞ、全てが調和してて。嫌いじゃない。」
「木島さんが明治を馬鹿にするんです。」
「慶応も馬鹿にします。」
「ハーバードも馬鹿にされました。」
「嫉妬か。無様だな、木島。悔しかったら東大行って来い。」
電気ケトルのスウィッチを入れる課長はフィルターに粉を入れ、椅子に座った。
「何で又、低度の争いやってたんだ。」
「キタガワが慶応らしいんですよ。」
「嗚呼。」
大方木島が井上に突っ掛かったんだろう、と正に流れを突いた。
「…むぅ…」
「はは、なぁんでも判るぞ。」
「課長って、何処です?」
「京大の教育学部。」
「え、マジで?」
「嗚呼。」
「関西から出た事無いと思ってました。」
「本当は明治に行こうと思ってたんだけど、京大にした。」
「ほら木島さん、明治良いじゃないか!」
「何で京都行ったんすか…?」
パチン。
電気ケトルのスウィッチが切れ、課長は立ち上がるとケトルを回し、フィルターに湯を入れた。珈琲の匂いが、粉が膨らむ度広がる。
三分程珈琲の匂いだけが漂う時間が流れ、カップに入れた課長は座るとパソコンを弄った。
「課長。」
「え?何?慶応だろう?頭良いな。金もあるんだな。」
「はい、云いたくないのね、はい。了解。」
龍太郎は黙って“菅原宗一”と入力し、ウィキペディアをクリックした。
宗一や時一程有名な医者になると、ウィキペディアも作られるのだ。
「菅原先生、京大出。」
「やっぱり!」
「おい煩いぞ二号機共。」
小声で話したのに聞こえていた。
「何で教育学部行ったの?」
「そんなの俺の勝手だろう、じゃなんで御前政経なんだよ。」
「良いじゃん、別に。」
「な?そういうものだろう?…まあ、俺、保育士になりたかったんだけどな。でもあの時代、男はなれんかったな。教授から、止めなさい、君は教師が良いって云われた。誰が高校生なんか相手にするか。だから警察に入った。」
「学歴と合ってないよ、最終目的が。」
「幼稚園の先生になりたいんだったら、マジで何処の大学でも良かったんじゃ…」
何故敢えて京都大学なのか。恋とは凄い。
「皆高学歴だな。下らん。」
上智居ないのか上智、と云うと、小野田ともう一人が手を挙げた。
「文系?理系?」
「文
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