第3章
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ングする悪趣味な陰湿男なんて、世界何処探しても御前しか居ないだろうか!」
「そら、悪趣味なんは認めるけど、そう云うんやったら、御前もやないか。」
「は…?俺の何処を見て悪趣味と云ってるんだ?病んでるのか…?」
三つ編みじゃないの、と全員思った。
「違う、悪趣味、の方やなくてぇ、ストーカーの方。」
「……失礼菅原先生、そんな事をした記憶、一度もありませんが。」
「…御前、俺のフェイスブック、覗いてるだろう。」
「え…?」
「あんねぇ、ばれてますよ?実害無いから黙ってたけど。そっちがそう難癖付けんなら言うよ?」
覗くなストーカー。
宗一痛恨の一撃に言葉が出ず、課長は其の儘無言で電話を切り、頭を抱えると、なんでばれたんだ?如何してばれるんだ?教えておじいさん…、と歌い出した。
ラスボスでも、何時かは倒されるのである。
「課長?課長、大丈夫ですか!?」
「何が起きたんだよ…二分で…」
課長の落ち方も凄まじいが、此の二人がそんな昔からの知り合いだとは思わなかった。
元恋人同士にしてはおかしいと思った。余程何方かが執念深いか、其れこそストーカーか、とんでもない勘違いかナルシストか。然し、中学時代からの旧友となると話は違って来る。
友達の感覚で結局連絡を取り合ってしまうのだ。
一過性の恋愛なら、別れました、はい左様なら、で済むが、友人から発展する…、此れはかなり友情の部分が占めている。友情が強過ぎて愛情にならない、或いは、友人としての方が束縛し合わず済んだ…此れ以上恋人で居れば相手其のものを嫌いになりそう、綺麗に云えば、俺に御前を嫌いにさせないでくれ、という所……其れで別れるというのは良くある…と思う。多分…、其れなりに…、あるんじゃないかなぁ…、宝くじに当たる確率で……と木島と井上は思う。
又響く電話。
力無く課長は通話ボタンを押し、老人のような声を出した。二分前、いいや三分前のマダムキラーボイスは何処に行ってしまったんだい?と聞きたい。
「勝手切んな、こっちの用件終わってないわ。橘は電話交換手じゃありませーん。斎藤に用あるなら、俺に掛けろ。…其れだけや。」
「御免…なさい…、橘さんを使って…済みませんでした…、菅原先生…」
たった其れだけで課長を此処迄轟沈させたのか?菅原と云う男、どんな威力を持って居るんだ。
以降無言の課長に宗一は鼻筋を掻き、御免、言い過ぎた、と謝った。
「もう、放っておいてくれ…」
「そんな落ち込まんでもええやん…」
「落ち込んでない…、生き恥を体感してるんだ…」
宗一の耳には、課長、課長ぉ、と異変を見せる課長を心配する部下の声が入る。煙草を咥えた宗一は静かに火を点け、其の声を暫く聞いた。
聞こえた自分の名前。
課長は、未だ繋がってたのかと電話を耳から離そうとした。
「良かったな、みぃんな
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